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【必読】現代文のコツはこれ!世間の逆を行け!

高校生

2021/12/17

はじめに 高校現代文について

高校現代文においては、中学までの現代文と異なって大きく内容面が難しくなっていきます。ですから、論理的に解くこと、を強く求められるようになります。いくら内容が難しくなっても、その基盤である論理というのは不変。だから、その論理を勉強することで、内容面の難しさに対抗していこう!という考えなわけです。

論理を実践する、というのは簡単に、こういうことです。

  • ①抽象と具体を読み分ける

小難しい文章というのは、大体抽象文です。なんか具体的に想像できないぴんと来ない文章。それを、説明するために具体例があります。わたしたちは、抽象は理解できなくても、具体例があれば、文章を理解できるでしょう。

  • ②起承転結を心がける

簡単な例は、筆者が問題提起をして、それに関する言及をしていき、最後に結論がくる、というものですね。こういう場合、結論へ向かって論を起こしていく感じがわかりやすいです。

以上のように、文章はある程度論理立って作られるものなのです。

しかし実は、内容面が難化すればする程、論を見破るのもやはり難しくなっていきます。論の成り立ちは起承転結のようなわかりやすいものだけでなく、あらゆる変化形を使ってくるため、論が見破るにくくなるのです。ここに落とし穴があると私は思います。だから、

「論理は教えられても、なんかうまく使えない・・・。」

「どうやって論理を適用させるかいまいちわからない・・・。」

という声が多いようです。私が受け持った生徒にもそういう声は多数ありました。

そこで、ここでは論理よりもっと簡単な観点を提示したいと思っています。それは、

一般論の逆を考えよ!

ということです。

世間の逆を行け!世間と逆の視点を考えよ!ということなんです。

簡単でしょう?

でも「え?」と戸惑う方も多いはず。これからもっと詳しく説明していきたいと思います。

 

話題⑴

以下の文章を読んでみてください。そして、筆者の主張を考えてみてください。

 

日本の運命を変えたのは、四世紀ごろから進んでいた朝鮮半島における自然破壊でした。むろん、日本人がやったのではありません。朝鮮人がやったのです。おそろしいばかりの自然破壊でした。山を掘り崩して、砂鉄を採り製鉄をはじめたのです。わずか数トンの鉄を作るのに、一つの山が裸になるほどの木炭を必要とします。

この四世紀前後の朝鮮における事情は、大規模な形としては、十六世紀の英国において、爆発的に急成長した製鉄業と森林破壊の関係を想像してくださればーそしてそれを古代的状況へ想像力をさかのぼらせて下さればー理解いただけると思います。

三,四世紀の朝鮮半島の製鉄業者たちに話を戻します。やがていくつものグループが海をわたって日本へ来ました。五世紀の頃だったと私は推測しています。日本の製鉄はやっと五世紀からはじまったのです。

十三世紀から十五世紀にかけての時代は、日本における最初の製鉄時代と呼べるものでした。・・・

同時に、この十三、四世紀に日本人の形而下的なあるいは形而上的な好奇心がいよいよさかんになり、仏教は日本化され、職人たちはさまざまなものをつくることに熱中しました。日本文化の原型は、この十三、四世紀にできあがったことはあらゆる方面から考えて、そのように結論することができます

『永遠のいのち』西田利貞 世界思想社

 

どうでしょう。筆者の主張を見抜けましたでしょうか。

 

「結論することができます。」とはっきり述べられている部分があるため、筆者の主張は一見わかりやすいですね。

"日本文化の原型は十三、四世紀にできた。"という風に飛びつく人が多いのではないでしょうか。

しかし、それでは本質を全く読めていないのです。

ここで、先ほど申し上げた、世間の逆を考えよ。という観点を取り入れてみます。


日本文化の原型は、製鉄の歴史によって生まれたことを、上記では長々書いていましたね。そしてその製鉄は、朝鮮人がもたらしたものである・・・。

ここでピンときた人はかなり勘が良いです。普通に考えたら、日本文化の原型は日本にあると思いませんか?そして、江戸時代に鎖国して、海外からの文化をたくさん取り入れるようになった。それまでは、日本は島国であるため閉鎖的な文化であったはず・・・。これがおそらく一般的な通念です。

この一般論に筆者は切り込んだのです!

つまり、日本文化の原型が日本に起因するものではなく、朝鮮人に起因するものである。

もっと言えば、日本文化の原型は、日本における自然の働きかけではなく、朝鮮半島での朝鮮人による自然破壊に起因する。

これが筆者の主張だったわけです。

どうですか?世間の通年にまさに切り込んだ主張ではないでしょうか。

まさか私たち日本の文化の原型が、江戸時代どころか相当昔の隣国によってもたらされているなんて、なかなかびっくりですよね。

このように、筆者は世間に切り込んだ形で思想を展開してくるだろう、と心して読むことは非常に大事なコツなのです。筆者が世間と同じことを主張するのならば、それはただの世間の意見であり、特筆すべきものではなくなってしまいます。ただの世間の意見ならば、わざわざ本にしたりするまでもありませんよね。

 

私の生徒も、この方法で難しい文章がだいぶ読みやすくなったと感動していました。そして、この思考法を心して勉強していった結果、学年三位をとったと喜んで報告してくれました。

是非教えてあげてみてください。

 

話題⑵

もう一つ具体例を示します。

科学の進化とともに、われわれの多くは快適な生活を謳歌できるようになったが、一方では不幸になったことも否めない。なぜ不幸になったかというと、永遠の生というものを信じられなくなったからである。現代生物学も、永遠の生という観念を完全に打ち抜いた。

現代の科学は、生命というものはまったく無意味であることを教える。それにも関わらず、われわれはあたかも未来に希望があるかのようにあくせく働き、恋をし、子育てをし、ローンを借りて家を建て、どうせ死ぬのに病気を治す。なぜ、絶望しないのだろうか?われわれの脳は、個体がその生存と繁殖に役立つ行動をとるとき、幸福と満足を与えるように進化したのだ。脳は、異性を美しい、子供を可愛いと感じさせる審美感を進化させた。脳は、数千万年にわたる進化の過程で、こういった機能を発揮させるようになったのだ。

 『現代文読解力の開発講座』霜栄


さて、筆者の主張はどこにあるでしょう。そして、ここに隠された世論への反発はなんでしょうか。

筆者の主張は、ズバリ、

脳の進化が永遠の生という概念も、それを打ち砕く科学も作り上げ

ということです。

脳の進化が、科学を作り上げた。というのはなかなか通説の逆を行っていると思いませんか?

そもそも脳の進化は科学の発展によってわかってきたことです。科学の発展がなくては、現代のように脳の機能がこんなにも解明されることはなかったでしょう。昔は脳を調べるといえば、切って中を見るしかありませんでした。しかし、科学の進歩によりMRIやCTが生まれ、脳がどのように働いているか、正常かどうかを、今や簡単に調べることができます。まさに技術革新が脳をどんどん解明し、更に進化させてきたのではないかということは、私たちの実生活から推測できることなのです。

しかし、筆者によると、脳の進化が先で、その進化に伴って科学が作られ進歩してきたといいます。脳が審美感を発達させてきたから、一見無意味である科学も発達してこれたというわけです。

どうですか、面白くないですか?

 

まとめ

二題の具体例を出して、実際に考えてもらうことで、筆者の一般論に切り込む様を説明してきました。生徒に有効だったこの方法、是非お試しください!

 

以下の記事もご参照ください↓

【全教科の底上げに必須!現代文の能力!】http://www.juku.st/info/entry/1148


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