塾講師をやってみたいけれど自信がないという人は多いですが、
意外にそういう人が良い講師になったりします。
どんな人が塾講師に向いているのか、
知識やスキルはどれくらい必要なのか、
応募や面接の前に知っておいて欲しいポイントをまとめてみました。
現時点の知識やスキルはあまり気にしすぎなくて大丈夫
塾講師になりたいけれど、筆記テストが自信がないという声は良く聞かれます。
もちろん、最低限の知識は必要ですが、「知っている」ことと「教える」ことは大きく違います。
また、筆記テストを実施しない塾もありますし、テストされた教科と担当する教科が違うことは小中学生対象の塾ではよくあることです。
どのみち担当する単元の内容を知らないままで生徒の前に立つことはあり得ないですから、
担当が決まってからキッチリ勉強することになります。
ですから、現時点で知識やスキルがないからといって諦める必要はありません。
授業スキルについては、面接の時点で研修体制について質問したり、
ベテラン講師の授業見学をお願いしてみることをお勧めします。
自分が受けたい、分かりやすい、
と思うような教え方をしている塾の方が馴染めますし、
未経験者にとってもスキルアップしやすい環境と言えます。
塾ごとの文化や体質もありますから、
特に初心者のうちは、場所や時間給ばかり気にすることは避けた方が良いと思います。
「割の良い仕事」ではなく
「自分を成長させてもらう場」と考えるのが良いです。
実際、塾講師のスキルはプレゼンやコンサルティングなど、社会に出てから大いに役に立ちます。
勉強が苦手だった人ほど向いている
勉強が得意だった人の方が塾講師に向いていると思われがちですが、
現場で人気講師になる先生は「つまずいた経験」の持ち主であることが多いです。
当たり前のことですが、「できない」を「できる」にするのが塾講師の仕事の中核です。
できなかった経験がある先生は、できない生徒の気持ちや状態が分かりやすいんですね。
現場でも
「○○君が、どうしてこの解説が理解できないのかが分からない」
なんて頭を抱えている先生は多いのですが、
特に補習塾では、できる人にとっては「当たり前」の部分でつまずいてしまっている生徒が大半です。
もちろん、勉強が得意だった人が講師に向いていないわけではありません。
何事も決めつけずに、常に「想像力」を持っていれば大丈夫です。
一番危険なのは自分自身の学習経験と生徒を重ね合わせてしまうことです。
「自分はこれで分かった」からといって、相手もその方法で分かるとは限りません。
「こう教えれば分かるに決まっている」などと高をくくらずに、どこまでもさかのぼって、
いちから説明出来るように準備して臨みたいところです。
どちらにしても、人と接すること、対話することが好きな人の方が塾講師に向いているといえます。
とはいえ、芸人のように話せる必要はありませんので、ちゃんと対話をする姿勢であれば大丈夫です。
中には口数の少ない物静かな先生を好む生徒もいますが、
少ない口数でもしっかりとコミュニケーションがとれていなければ授業になりません。
コミュニケーションが苦手だった講師は、
同じような悩みを持つ生徒の気持ちも理解しやすいかも知れません。
是非自分の弱みを強みに変える切っ掛けとして塾講師にチャレンジして欲しいと思います。
塾講師になるための4つのチェックポイント
では、塾講師になるにあたって意識しておきたいポイントを4つにまとめます。
まず1つ目は「知識やスキル」です。
これは先ほどもお話ししましたが、最初からある必要はありません。
しかし、初心者であれば成長出来る塾を選ぶことが必要だと思います。
それを面接で見極めて下さい。
自分が見られているだけではなく、
自分もその塾をよく観察することが大事です。
その中で一番見て欲しいことが、2つ目のポイント「価値観」です。
塾には色々な文化があります。
例えば
予習や宿題を推奨する塾もあれば、
予習は一切禁止という塾もあります。
毎回テストをする塾もあれば、
しない塾もあります。
また、
生徒と話す時に丁寧語を使う塾もあれば、
友だちのようにあだ名で呼ばせる塾もあります。
塾の理念に賛同出来るか、また自分が馴染めるかどうかをチェックしましょう。
3つ目のポイントは「時間と給与」です。
塾サイドが時間講師の採用で一番気にするのが時間です。
一般的に、担当講師がころころ変わる塾は信用が築きにくいものです。
ですから、別のバイトと掛け持ちをしていたり、大学やサークル、旅行やボランティア活動など自分の予定の優先順位が高く、融通の利かない先生は採用されにくい傾向があります。
多くの塾では、同じ曜日の同じ時間に必ずシフトに入れることが求められます。
ですから、沢山の担当を持てなくても、毎週一コマでも定期的に担当できれば塾によっては重宝されます。
また研修や教室会議、掃除や面談など授業以外にも多くの時間が取られるのが塾業界の特徴です。
これに加えて教材研究などの授業準備にも時間がかかります。
一方講師サイドが最も気にするのは給与ですが、
授業以外の時間はコマ給がつかない塾がほとんどですので、
授業以外の業務がどの程度あるのかを把握して、
担当することが可能かどうかを判断する必要があります。
4つ目のポイントは「コミュニケーション」です。
これは面接で最も見られているポイントだと心得て下さい。
ちゃんと目を見て話しているかどうか、話し方に誠意があるかどうか、言葉が分かりやすいかどうか、上手い下手よりも「誠意」や「態度」が重要です。
自信がない人は、これだけは面接前にしっかり練習しておいてください。
鏡を見ながら話す練習をするのも効果的です。
さいごに
塾業界に限らずですが、案ずるより産むが易し、
実際に授業を持てば意識も姿勢も変わります。
不安はあると思いますが、
大事なことは、ちゃんと生徒と向き合うこと、
対話することに尽きます。その覚悟さえできていれば大丈夫です。
多くの人が塾講師というやり甲斐のある経験をしてくれることを願っています。