【社会科塾講師対象】頭の中に「地図」をセットアップする方法

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  • 2014年08月30日公開
キーワード
記憶
理解
地図
地理
中学生
高校生
暗記法
矢萩邦彦

人の記憶は位置情報とひもづけることでより確実なものになります。また、言葉がイメージと結びつくことでも、記憶は定着しやすくなります。ですから社会科の学習においても、実際に現地に行ったことがあると記憶や理解がしやすくなります。
 

地名と地図をひもづける

 しかし、行ったことがあるのに全く覚えられないという生徒もいます。修学旅行で京都奈良に行ったはずなのに、何も覚えていない。その理由の一つは、位置情報が宙に浮いてしまっていることにあります。そういう生徒に日本地図を渡して、京都奈良の場所を問うと、見当違いの場所を指すことが多いんです。つまり「京都」という言葉とその場所のイメージは持っているのですが、視点を大きく引いて地図上になると分からなくなってしまうんですね。日々の生活で俯瞰することは少ないですから、全体から部分を見るという視点に慣れていないわけです。
 
また、以前小学四年生に「自分が住んでいる場所に色を塗ってみよう」という作業をさせたところ、複数の生徒が九州の一部を塗った時期がありました。間違えるとしたら位置も形もやや似ている静岡県が多いはずなので不思議に思って色々と調べてみたら、どうやら学校で「ぼくの街わたしの街」というタイトルで九州の街を学んでいたことが原因だと分かりました。これでは頭の中が全く共有されていない状態で授業が進んでしまいます。同じ基準やイメージを持つことはライブ授業で理解を促すためにとても大事な要素です。
 

頭の中に地図を描く

 鳥の目と虫の目を自在に使いこなすためには、やはり慣れが必要です。そのためには、繰り返し地図を使うことで視点を切り替える訓練が効果的です。具体的には、地名が出てくる度に地図上のどの辺りなのかを指で指すように指示するんですね。これは家庭でもテレビのニュースや旅番組などを見ながら日常的に練習できます。最初は都道府県が分かるレベルの日本全体図を使い、慣れてきたら地方ごとの拡大図のある地図帳を使用すると良いと思います。視点の切り替えを自由にすることは、地理を学ぶ本質の一つで、その力こそが社会に出たときに役に立ちます。
 
地図を使うことに慣れてきたら、授業の最初に「日本地図を頭の中にイメージしてください」という指示を習慣にすることで、場所にひもづける準備が出来ます。次に「はい、関東地方にズームしてください」「次に、東京都に赤く色を付けてください」「さらに、南北を逆にできますか」などの指示を繰り返すことで、頭の中の地図をだんだん自由にすることが出来るようになります。コツは正確に思い描こうとし過ぎないことです。出来るようになるまでの期間は個人差があるのですが、頭の動きをシンクロさせようとすることで、理解力は全く違ってきます。
 

理解をするためには身近なことと関連させる

 理解をするためには、身近なことと関連させるか、あるいは身近なこと、すでに理解していることに置き換えて考える必要があります。社会科の場合「暗記教科」であるという誤解から理解のプロセスを疎かにしがちですが、他教科と比べると暗記のみでも対応できる部分が多いというだけです。根本的には理解をしないと覚えにくいですし、そもそも学習する意味がありません。
 
地理の場合は、実際に出かけたり、親戚や知人の住む場所など自分事と関連づけてしまう方法も効果的ですし、今現在起こっていることと地理との関係を考えることも意義があります。身近な出来事はもちろん、ニュースなどを見ながら同時に地図を頭に描いて考えることで、地形ごとの特徴や、似た地形で盛んな産業、かつて起こった事件など色々な情報が結びついてきます。そういった情報の中から関係がありそうなものや、似ているものを見つけると、地理は途端に面白くなります。その手助けをするようなファシリテーションをすることで、社会科だけに留まらず総合的な学習効果が期待できると思います。 
 
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