*塾講師の皆さんが教えるということを楽しめるような教え方のヒントやアイデアを提案していくさくラボ*
手強い生徒をお持ちの先生必見のシリーズ!
今回は手強い生徒への指導法です。
まず、手強い生徒とはどのような生徒でしょうか?
私が実際に担当した生徒や仲間の講師がもった手強い生徒の例をもとに、タイプ別に分けてそのような生徒に対する授業方法を3回に分けてご紹介します。
今回は手強い生徒への指導法第3回目です!
ではどんな手強い生徒がいたのでしょうか・・・?
悩みだらけのカウンセリング希望型生徒
手強い生徒への授業法最終回である今回は上記のタイプの生徒についての授業方法をご紹介していきます。
「あーこういう生徒いるいる!」と共感できた方は多いと思います。
では早速このようなタイプの生徒にはどのように授業をすればいいのかについてご紹介していきましょう!
悩みだらけのカウンセリング希望型生徒
あなたは授業中に生徒の話をどの位の時間聞いていますか?
もちろん、生徒の性格によって変わってくるので一概には答えられないと思います。
塾講師という仕事をやっていく上で生徒との信頼関係は非常に重要です。
ですから、授業中に「部活の大会どうだった~?」など勉強に関係のない話をすることで生徒の現在の状況を把握したり生徒との気持ち面での距離を近づけるということは個別指導では特に欠かせないことでしょう。
しかし、そのように生徒一人ひとりと向き合うことのできる個別指導だからこそついつい生徒の話に深入りしてします先生が多いように感じます。
集団授業でしたら、1人の生徒の話を延々と聞いていたら他の生徒から不満がでてくるでしょうし授業も進まないので自然と一人ひとりに割く時間というのは短くなってきます。
つまりいやでも雑談の時間というのは短くなっていくのです。
一方で個別指導とは先ほども述べましたが基本的には1対1のマンツーマンですから、雑談をしようと思えばいくらでもできてしまうわけです。
私も塾講師になりたての頃はおしゃべり好きな生徒から話しかけられてその生徒の話を遮ることができず授業へ切り替えるタイミングが掴めなかったために雑談がメインになってしまったという失敗をした経験があります。
このような経験は周りの先生をみていても男性の先生より、女性の先生のほうが多いように感じます。
生徒が楽しそうにはなしてたり、逆に真剣に相談してくるとついつい授業よりも生徒の話を優先してしまいがちです。
もちろん雑談をすることが悪い、全くするなということではありません。
程度の問題です。今回ご紹介する生徒はその程度がすぎてしまっている生徒についてです。
ここで更に厄介なのはその生徒の話の内容が悩み事や、相談事だったときです。
楽しい話なら塾講師である私達もあまり気をつかうことなく「じゃあ続きは授業が終わったらおしえてね?」とか「次の休憩のときにはなしてね。」など上手く雑談から勉強へと切り替えさせることができますが、生徒が話してきた内容が悩み事など授業に影響がでるような内容だと「気にしないで、勉強しよう。」などと軽いことはいえませんよね?
それゆえ授業になかなか入ることができず雑談がメインになってしまいます。
しかし、毎回毎回そのような授業を繰り返していたら生徒の成績は上がるどころかむしろ下がりますよね?
塾はカウンセリングを行うところではありません。生徒が目標を達成する手助けをするところです。
このことを忘れてはいけません。
しかし先程のように生徒が悩み事のせいで授業に集中できないなどの影響が出る場合は、その悩み事と向き合うことも必要になってきますし避けては通れないことでしょう。
では雑談だけの授業にならないようにしつつ、生徒の悩みを解決し勉強へと気持ちを向かわせる授業とはどうすれば行えるでしょうか?
それには以下の2つのポイントをおさえることが重要です。
勉強関係の悩みはとことん聞く
勉強以外の内容は聞かな過ぎず聞き過ぎない
では以上のポイントをふまえた上で具体的な授業方法をお話ししていきます。
勉強関係の悩み事はとことん聞く
ポイントの1つ目は「勉強関係の悩み事はとことん聞く」です。
先程、塾は生徒が目標を達成する手助けをするところだといいましたよね。
多くの生徒は自分の状況をなんとかしたい、良い成績をとりたい、志望校に合格したいなど自分なりの目標をもっています。そして、その目標を達成する為に勉強は欠かせないものだからこそ塾に通っているわけです。
言い換えれば、勉強については私達塾講師を誰よりも頼りにしてくれているということです。
せっかく頼りにしてくれているのに、その手をふりほどくようなことはしたくありませんよね?
生徒が勉強が進まないと困っている、やる気がでないと悩んでいる。でもそのような話ばかりを聞いていたら授業が進まない。あなたの心の中で葛藤が生まれることでしょう。
このような場合はどうすればいいのか?それは簡単です。
勉強についての悩みはとことん聞いて解消してあげましょう。
受験生は特に勉強について不安や悩みがいっぱいです。
そんな状況を放っておいて効率を重視し授業を無理に進めても、最悪の場合勉強が嫌いになったり自信をなくしてしまうかもしれません。
そうなってしまってはあなたがどんなに良い授業をしても無駄ですし、あなた自身も後悔をする結果になりかねません。
ここで重要なのは勉強についての悩みに答えるときは、あなたの体験などをまぜて具体的に話すまた生徒が前を向けるようなアドバイスをするということが重要です。
勉強について悩むときは、大概勉強がはかどらなかったり苦手と感じていたり上手くいっていないときです。
そんな時に抽象的だったりできそうもない理想の話をしても生徒の不安を煽り勉強から遠ざけてしまうだけでしょう。ですから、相談にのるときはプラスの体験を具体的に答えるのです。
自分が受験生で模試の点数が悪く志望校が危ういときに、模試でE判定をとっていても合格をした先輩の話を聞いて励まされたことがある人も多いのではないでしょうか?
また、単語を覚えられず困っていた時に今までやっていた方法とは違う暗記の仕方を知り助けられたことがある人もいると思います。
つまり、具体的に悩みに答えることで、解決の糸口を見つけてあげるとともに自分にもできるかもなど自信をもたせることができ、結果的に生徒の目標を達成する手助けをすることになるのです。
ですから、勉強についての悩みに関しては生徒が勉強から逃げずに取り組めるようにまた自信をもてるようになるためにもとことん聞いて一緒に解決してあげましょう。
それは結果的に必ず生徒のためになることでしょう。
勉強以外の内容は聞かな過ぎず聞き過ぎない
ポイントの2つ目は「勉強以外の内容は聞かな過ぎず聞き過ぎない」です。
この文章のはじめのほうでもお話ししましたが、勉強以外の内容の話を聞くことも時として大切です。
ですから、聞かな過ぎずなんです。雑談のない授業はつまらないですし、授業以外は一切話しかけてこなかったり勉強以外の話を一切させないような先生を生徒は信頼してくれません。
繰り返しになりますが、勉強以外の内容についての悩みに関してはどの位講師側が聞くかということが重要になってきます。
私が担当した生徒に授業がはじまってそうそう「今日ふられました・・・。勉強するメンタルじゃありません。無理です。」と言ってきた生徒がいました。
自分がふられたら確かに勉強なんて手につかないでしょうから気持ちはいたいほど分かります。
でもここで私が「そっか、それは辛かったね。話聞くよ。」なんていってしまったら塾講師の役割を放棄したことになってしまいます。
だからといって無理に授業を始めても、生徒は集中してくれないでしょうし下手したら泣き出すかもしれません。ではどうするか・・・。
一通りいつも雑談にあてている時間内で話を聞いてあげましょう。目安としては5分位でしょう。
案外、人というものは話すとすっきりしますし人に話すことで一度心の整理ができます。
そして更にここでポイントなのは、話を聞いた後に生徒が勉強を頑張ろうと思える一言を加えるということです。
話を聞いた後に自分の考えなどをつらつら話しては、お悩み相談所になってしまいますのであくまで塾講師という立場から生徒の悩みを勉強へのパワーに変える一言を伝えてあげましょう。
上の例でいうならば「でも自分がふった相手が急に成績良くなったり頑張りだしたら相手も悔しいだろうね。」などと相手へのマイナスな気持ちを上手く使うというのも良いでしょう。
怒りは緊張さえもといてしまう力があるといわれています。
その生徒の悩みにあった一言をかけてあげましょう。
そして、それ以上は話さない。ここが重要です。
生徒が切り替えられないのなら、私達講師が切り替えさせてあげましょう。それも良い方向に。
まとめ
長くなってしまいましたが最後まで読んでいただきありがとうございました。
今回のタイプの生徒に対する授業を行う上で覚えておいていただきたいのは、
どんな悩みも最後は目標へのプロセスに変える
ということです。
悩みを抱える生徒にどれだけ前を向かせられるか、勉強に楽しく取り組むことができるようにするかはあなたにかかっています。
あなたにしか出来ない授業で生徒の目標達成のお手伝いをしてください。
その手段の一つとしてぜひ今回ご紹介した方法を試してみてください!
では教えることを楽しんでください!