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まるわかり!採用後の「講師研修」とは?(4)

講師の皆様、こんにちは!
人材教育コンサルタントの上田です。

さて、講師研修対策講座もついに最終回!
ここでは実際にあったご質問を、Q&A方式でお答えしてまいります。
本編では書ききれなかった内容ばかりですので、ぜひ最後までお付き合いください!

(参考)今までの記事一覧
1、研修の全体像 http://www.juku.st/info/entry/559
2、研修の種類  http://www.juku.st/info/entry/604

3、模擬授業対策 http://www.juku.st/info/entry/899

・個別指導と集団指導で、研修時のチェックポイントに違いはありますか?

はい、違いはあります。
これは、そもそも求められる「講師像」が異なるためです。
個別指導では、生徒の学力は一般的に低めです。そして、学習意欲があまり高くないケースが多くなります。
この場合、求められるのは「生徒に学習習慣を身につけさせること」です。
また、生徒とのコミュニケーション能力も必要になります。
それに対し、集団指導では一方的に話す時間が長くなります。そのため、わかりやすい説明力と、人前でどうどうと話すプレゼンテーション能力をチェックされます。
一般的に個別指導では模擬授業を施すことは少ないようです。 

・研修の成績によっては、採用取り消しになるところもあるのでしょうか・・・?

はい、あります。
大手進学塾のなかには、仮採用といって2週間程度、研修期間を設けて、本採用にするかどうかを決める塾も見受けられます。
特に進学実績を重視する場合、講師の力量が生命線になります。
そのため、厳しい基準を求められる場合があります。
ですがその場合でも、やるべきことは変わりません
事前準備をしっかり行い、研修担当講師の声をしっかり講義に反映させましょう。

・研修の評価は、自分の成長で変えることはできるのでしょうか?

変えられる場合と、変えられない場合があります。
能力的な評価については、変わることも多いでしょう。講師にレベルアップには、どうしても「経験値」は欠かせません。ですから、その点については評価替えを行うことは往々にしてあります。
ちなみに、実際に担当した後、クレームの回数が少なければそれだけ評価は高まります。逆に、クレームの回数が多いと評価は下がってしまいます。
それに対して、人間性に関わる評価はほとんど変わることがありません。具体的には話し方、雰囲気は一日で変わるものではありません。この点については第一印象を変えることはなかなか難しいでしょう。
なので、初回の研修評価はとても大事なものになります。
将来のため、「今」をしっかりがんばりましょう

・教える科目により、研修スタイルが変わることはありますか?

基本的に変わりません。
初期研修(入社後最初に行われる研修)は、どの教科・担当であっても一律で行われます。
その後の教科別研修はあまり行われていないのが実態です。
というのも、多くの塾では一人の先生が複数の科目を教えることになる為、その詳細まで研修を行う時間がないためです。
ですから、教科別指導法は自分で学んでいく必要があります。
(この塾講師ステーションは情報の宝庫!ぜひご活用くださいね)

・教案・板書案の作成プロセスを教えてください

あくまで個人的な手法ですが、もしよろしければ参考にしてください。
1、テキストを熟読し、重要な用語とポイントを抜き出す
2、テキストで不明だった点をインターネットや辞書を使って調べる
3、重要な部分を抜粋した板書案を作り、一度模擬講義を行う。
  この時点でだいたいの時間感覚をつかむ
4、講義時間に合わせて補足・雑談を入れていく
5、最終確認もかねて再度講義練習をする

講師をはじめた当時は、だいたい講義時間の3~5倍を目安として、教案作成に時間を使っていました。最初は大変だと思いますが、それは翌年の財産になります。ぜひ頑張ってください!

・敬語が得意でない(知らない)が、どうすればいいでしょう?

事前に勉強して下さい。

まずは敬語の書籍を購入して、きちんと学びましょう。
将来、就職活動するときにも、社会人になっても、敬語は常について回ります。
保護者との電話応対にも、敬語は必須です。
だから敬語がきちんとできていない先生には、なかなか授業を渡しづらくなるのが事実です。
また、敬語の目的は「相手を不快にさせない」ということです
その意識は必ず心に留めておいてください。
事務的な冷たい口調で「たいへん申し訳ございません」
必死な声で「これは僕のミスです。本当にごめんなさい」
どちらのほうが、相手の怒りを抑えることができるでしょうか?

・優秀な講師に必要なことをずばり、教えてください!

たくさんありますが、一番重要なことは「成長意欲」です。
実際、講師に応募される方の多くは「何かを伝えたい!」という情熱をお持ちであり、かつ筆記試験で合格されています。
ですから、学力についてはあまり課題に感じる人は多くありません。
むしろ気になるのは人間力(人として気持ちよく接することができる人か)ということ。
「え、授業スキルが大事なんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、日ごろは業務に忙しく、個別に授業スキルを見ている余裕がない、というのが担当側のホンネです。
そこで、皆様の”人間力”をチェックし、その評価を元に担当授業を決めていきます。
なお、自分の力に驕った講師は、必ずどこかで痛い目をみます
どんなにベテランになっても、成長する気概を忘れないで欲しいと思います。

 

新しく講師になる人に、どうしても伝えたいこと

ここまで、講師研修について3回連載をしてきました。
どうでしょうか?読む前と意識が変わっていただけましたでしょうか?
最後に、新しく講師になる方へ、エールを送りたいと思います。

「研修現場」では、実に様々なケースを目の当たりにしてきました。

講師研修が怖い!→だから、講師になる夢を諦めた。
講師研修でダメ出しされた!→だから、翌日から出勤しなくなってしまった。
研修で頑張ったのに理不尽なことを言われた!→だから、ふてくされて別のバイトをはじめた。

いずれも、私が実際に見ている現実です。
でも、せっかく、多くの子供たちの力になる、素晴らしいチャンスを得られたのです。

こんなもったいないことはない!

心からそう思います。
研修は、あくまで研修であって、皆様を落とすものではありません。
すでに皆様は適性があると判断され、採用されているのです。
あくまでも研修は、叱る場所ではなく、伸ばす場所です。
せっかくの想いを、空回りさせるのではなく、成果に結びつくようにしてあげたい。
研修担当は、皆そうやって指導をしているのです。

時には理不尽だと感じるかもしれません。
でも、研修担当者だって人間です。完璧ではありません。
ただ、皆様よりちょっとだけ経験を積んでいます。だから、言いたくなる時もあります。
そのときは「こういう意見もあるんだな、なるほど。」と受け止めてくれれば十分です。
研修があるから、といって物怖じする必要は全くありません。
準備と対策があれば、必ず評価してもらえます。

 

教育に関わる仕事は、本当に素晴らしい仕事です。
講師にとって、生徒が笑顔で「できるようになりました!」「受かりました!」「○○先生、ありがとうございました!」と言ってくれることほど、嬉しいことはありません。
また、お金を払ってもらいながら感謝される、数少ない職業の一つです。
ぜひその魅力にどっぷり浸ってください。
そして一人でも多くの生徒に「○○先生がいて、自分の人生が変わりました」と言われる教師を目指してください。

 

日々の授業の中で、常に反省することがあるでしょう。
大丈夫。ミスは誰でも起こしますし、最初からプロである先生などいません
黒板を書くのが苦手でも、文字がある程度くずれていてもいいんです。
多少どもってしまったり、声が震えていても大丈夫です。
現在ベテランの先生も、初めて授業した日は、同じ状態なんです。
だから、向上心を持って、真摯に生徒と向き合ってください。
必ず成果は目に見える形で現れます。

 

最後に一つだけ。
先生にとっては「たくさんいる生徒」の一人かもしれません。
ですが、生徒にとっては、たった1回しかない「受験」で、最後の拠り所となる存在です
一人ひとりとの出会いを、大切にしてください。
そして生徒に愛情を持ちながら、必死で取り組んでください。
皆様が生徒にとって「記憶に残る」先生になれるよう、頑張ってください。

本連載をお読み頂き、ありがとうございました。
一人でも多くの人が「自信を持って」長く教育の世界でご活躍することを祈念しております。

 

 

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