円高ってなぜ起こるの!?わかりやすく解説します!

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  • 2015年09月23日公開
キーワード
円高
円安
為替

「円高ってなぜ起こるの!?」もくじ

1. はじめに


2. "通貨"の需要と供給


3. どういうときに円高が起こるのか?


4. 円高になったときのいいこと・わるいこと


5. まとめ 



1. はじめに

最近円高がニュースで騒がれるようになりました。


2016年の6月に発生したイギリスのEU離脱を受けて、円高が進んでいる現状もあります。

 

しかし、「そもそも円高ってなに?」「なぜ起こるの?」と疑問に感じる方も多いことでしょう。

 

政経でも円高の解説はありますが、そこにある説明は少し現実離れしているように感じてしまいます。

 

 

そこで、本記事では政経での説明をベースに、

できる限り現実味を帯びるような円高の解説

について、わかりやすく紹介します。

 

2. “通貨”の需要と供給

為替とはいわば通貨の需要と供給の一致する点のことを指します。

よって、需要と供給を知らなければ為替のこともすっきりしません。

簡単に復習しましょう。

 

 

物の価格を決定するのは、需要と供給です。

需要とは「世間の人がどれだけ欲しいと思っているか」であり、供給とは「世間でどれだけそれが提供されているか」です。

その関係をグラフにすると以下の様になります。

 

 

 

 

為替を考える際、ポイントとなるのは縦軸と横軸の定義です。

横軸はいわば“量”を表します。

そして縦軸はいわば“価格”なのです。

その価格の単位は、当然のことながら日本の話をしている限り、円です。 

 

 

しかし、為替ではそうとは限らないのです。

 

為替を考えるにあたり、商品名はドル、価格単位は円であったり、逆に商品名が円、価格単位がドルだったりします。

 

為替を考えるにあたって重要なことは「商品となる通貨」は何なのか、そして「価格の単位となる通貨」は何なのかなのです。 


そしてその均衡点が、いわば為替レートになります。

 

では、どういうときに円高・円安が起こるのかを考えていきましょう。

 

3. どういうときに円高が起こるのか?

円高・円安を考えるために、まずはその言葉を定義しなければなりません。

 

円高:円の価値が高い(みんなが欲しがる)

円安:円の価値が安い(みんなが欲しがらない)

 

という簡単な定義で結構です。

 

面白いことは、円高・円安はあくまで相対的なものだということです。

 

いずれも「どの通貨とくらべて」みんなが欲しがるのか、みんなが欲しがらないのかを考えなくてはいけないのです。

 

例えば円高・ドル安という状況と円安・ポンド高という状況が同時発生する可能性は十分にあります。

円高・円安の定義を単純にしてしまえば、わからなくはないことなのです。

 

 

どういうときに人々は円を欲しがるでしょうか?

 

①“円”の価格がついている商品が人気のとき

第1にあげられるのは、“円”の価格がついた商品をみんなが欲しがるときです。

 

典型的なのは株価です。

 

日本の企業価値があがるということは、その株も上がるということになります。

 

当然上がりざかりにある株はみんなが欲しがるわけですから、外国投資家はその株を得るために、円が欲しくなります。

 

あるいは不動産。

 

日本の土地の価格がうなぎ上がりになると、それを狙う投資家たちは、その土地を買うために、ドルやポンドよりも円が欲しくなります。

  

②世界的な不況が起こったとき

日本国内の要因が円高を引き起こす場合に対して、日本国外の要因が円高を引き起こす可能性もあります。


れは世界的な不況が始まった時です。


投資家はドルやユーロを避けて、円に投資する傾向があります。

 

③貯蓄

“預金”の考え方も重要な要素になります。

 

投資家は集めたお金を必ず“何かしらの通貨”で貯蓄する必要があるのです。

 

ドルでもポンドでもユーロでもいいです。けれども、必ずどれかを選ばないといけない。

 

 

仮に投資家がドルで貯蓄をしたとしましょう。

 

ドル高・円安が起こった場合、「円から見て」投資家の貯蓄額は増えることになります。

 

 

一方でドル安・円高が起こった場合、「円から見て」投資家の貯蓄額は減ります。

 

円やドルであれば、比較的安定している通貨ですが、世界恐慌の際、ドルは大幅に下落するということはよくあります。

 

投資家はその場合、ドルのままで貯蓄していると損失が大きくなるので、他の通貨にかえます。

 

利子も重要な要素です。

 

その国での利子率が高ければ、その国で貯金するとよりお金が増えるということですので、利子率が高い国にお金を動かすことはよくあります。

 

実際にグラフを読み解く

上は円ドル為替相場の年間のグラフです。

 

最初の方は固定為替相場制であったため、1ドル360円で固定されていました。

 

しかし、変動為替相場制となったため、円・ドルのそれぞれの需要供給で決定されるようになりました。

 

 

まず、注目すべき点は、①の1984年ごろの動きです。

 

今まで円安が続いていた傾向が一気に下落しました。

 

1989年ごろまでその傾向は続いています。

 

これは1985年のプラザ合意が原因です。

 

日米が円ドル為替レートに介入し、意図的に円高を引き起こすことになりました。

 

 

こうしたバブル景気も、1989年に弾け、当然株価等の証券価値、さらに不動産の価値が下落していきます。

日本国内の商品、つまり“円”の商品の価値が下がり、円安を引き起こすことになります。

しかしそれもつかの間。1990年までという2年間しか円安傾向は起こりませんでした。

1990年から1995年までは円高傾向になっています。



“円”の商品が下がっているのに、なぜでしょうか?

 

内に原因がなければ、外に目を向けてみましょう。

 

当時の世界経済では1991年の湾岸戦争やメキシコ通貨危機、さらにクリントン政権による円高・ドル安の政策があります。

 

世界経済が不安定にあったことで、投資家はリスクの高いドルやユーロを避けて、円に投資するようになりましたので(おそらく預金等も動かされています)、円高が引き起こされるようになったのです。

 

③の2011年は東日本大震災のときです。

株価の下落、日本経済の落ち込みにともない円安が起こっています。 

 

ドル・円・ユーロは世界で最も注目される通貨です。

ゆえに欧州が打撃を受けた場合には円に逃げ込みますし、円が打撃を受けたらユーロまたはドルに逃げ込みます。

  

4. 円高になったときのいいこと・悪いこと

円高のときを考えてみましょう。

 

例えば1ドルが70円のときと1ドルが120円のときを考えます。

 

これはすごく大きな差になります。例えば10万円をドルにしようと思ったら、前者のレートでは、1428ドル程度。後者のレートでは833ドル程度。およそ600ドル程度の差が出るということになります。

 

一方で、円高ということは、他の通貨が円を買うことが難しい、つまり“円”で価格がついた商品を買うことが難しいということです。

 

これは「輸出が難しい」ということになります。

 

輸出が難しいので、企業にとって不利だということになります。


マクロ経済の観点から言えば、円安が最も望ましいのです。


円安だと輸入が難しくなりますが、これは原材料を国内のものを使うことを意味します。


国民や企業はできるだけ国内のものを消費しようとし、一方でその商品が海外にも輸出しやすいという状況です。


当然、日本のマクロ経済はうなぎ上がりになるのです。

 

 

しかし、最近ではそうとも言えなくなりました。

商品を日本で製造すれば確かに“円”の札がつくのですが、工場を海外に移転したため状況が変わりました。

例えばタイで製造した自動車は“バーツ”の価格がつき、それは直接また別の国に運ばれる形になります。

このような場合、円を経由していないので、円安になったからといって輸出が増えるわけではないのです。

 

 

重要なのは、その商品に“円”がついているかどうか、ということです。 

 

5. まとめ

いかがでしたでしょうか。円高・円安は海外旅行をする人にとってはすごく身近な問題となります。 

 

もちろん短期的な予測は難しいでしょうが、長期的な予測であれば、普段から新聞を読んでいるだけでかなり予想することができます。

 

しかもこの円高が起こる論理は、ドル高やユーロ高が起こる論理と同じことですので、他の国の経済状況からその通貨を予想することができます。

 

この記事を参考にしていただければ、こうした予想ゲームを楽しみながら新聞も読めることでしょう。

 

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変動為替相場制とは?

 

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GDPってなに?【マクロ経済学基礎(政経)】
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