特集記事のサムネイル画像

英数国の「教え方」を知るのに便利な参考書【まとめてみた】

2021/12/17

こんにちは、じーちゃんです。

 

今まで様々なシリーズを書いてきましたが、今回はもうちょっと塾講師の実用的な内容にアプローチしようということで、【まとめてみたシリーズ】を書いていきます。

 

指導に有用でありそうな情報を、「○○まとめ」のようにして発信していきたいと思います。

役に立つ指導用参考書のまとめ!

突然ですが、塾講師の多くは受験を経験してきたと思いますが、そのときに役立ったという参考書と、生徒を指導するときに役立ったという参考書は違う気がします。

 

 

生徒にとって役立つと思える参考書というのは、もちろん「わかりやすい」とか「問題が充実している」とか、「見やすくて飽きない」と様々あります。

 

 

しかし塾講師が指導しようとすると、それらの参考書が同じように役立つはずがありません。塾講師が参考書に触れるというのは、別に問題を解くことができなかったからではないでしょう。

 

 

そうではなく、その問題を説明するにはどうしたらいいのかと悩んだ時だと思います。よって、中学生・高校生視点からの見やすさとか、わかりやすさは特に関係しないのです。

 

 

そこで今回の記事では、「この本を読んだら、授業の質(わかりやすさ)が上がるよ!」と実感できるものを、私の趣味も含みながら紹介していきます。

 

 

今回紹介する参考書は全て上質なものですので、生徒のレベルにあわせて紹介してみるのもよいかもしれません。きっと何らかの化学反応を起こしてくれるはずです。

 

〜英語編〜

Forest

特徴:英文法の辞書のような参考書

 

使用用途:学校に準拠した文法事項を教えるときに是非

 

この参考書は優秀だと思います。何より図が豊富であり、説明が三段階に分けられており、自分の指導にそのまま応用しやすい点が利点です。


ホワイトボードがあるならば同じ図を書いたり、生徒のレベルに応じて教えるもののレベルを変えたりすることが可能です。極端な話、Forestに書いてある内容を、そのまま先生の言葉にしても授業をすることができます。


加えて、中学生・高校生が習っている文法事項と、Forestに書いてある文法事項は一般的なカリキュラムと一致していますので、指導に用いやすいというのも利点です。


 

一億人の英文法

特徴:独自の英文法を作り出している

 

使用用途:文法に秘められたネイティブの感情を理解したいときに、是非。

 

私が英文法を教える際、一番重用している参考書です。けれどあまりにも癖があるので、基礎的な文法事項に自信があるときにこれを用いるべきです。この参考書には「文型」という概念がなければ、「品詞」という概念も特にありません。独自の文法の世界を展開しています。 


しかしこの参考書は本当に、文法事項に秘められたネイティブの心を掴んでいるような気がします。

 

「なぜ疑問文だと、倒置が起こるのか?」「なぜ比較はこのような文法形態なのか?」「なぜ仮定法だと過去形を使うのか?」こうしたことを全て説明してくれます。この参考書では「この文法事項を使っているとき、ネイティブはこんな気持ちなんだよ」と教えてくれます。

 

 

読み物としてもけっこう面白いので、塾講師の方には是非一読していただきたいです。基礎文法を生徒に単純に覚えさせることがつまらないと思った方は是非、この本からその文法が生まれた背景を説明すると、授業がもっと面白くなります。

 

English Grammar in use

特徴:英文法を英語で説明してくれる洋書

 

使用用途:英文法の本質を掴みたい時に是非

 

一部の中高一貫校が使っている、洋書の文法書です。すべての文法事項が英語で説明されています。英文法を英語で理解しようという参考書です。英文法の説明が英語で書かれているので、ある意味ネイティブの心をそのまま表しているといえるし、何より日本人が書いたものではないので、そこに信頼を置くことができます。

 

この文法書の良い所は、文法の使い分けが明確にできること。例えば現在完了形と現在形の違いは?現在進行形と現在完了進行形の違いは?といったところを、1行で簡単に説明してくれます。

 

1億人の英文法と違い、本当に基本的な文法の説明しかしていませんが、日本のどの参考書よりもクリティカルな説明をしてくれていることは、間違いありません。

 

英単語ターゲット1900

特徴:言わずと知れた単語帳

 

使用用途:自分の語彙力UPのために

 

単語こそ塾講師にいらないって?

 

いえいえそんなことをおっしゃらないでください。

 

なぜかというと、私たち塾講師は当然生徒がどのような壁にぶつかっているのかを知る必要があるからです。

 

つまり、生徒がどのような難易度の英単語を覚えていなければならないのかを知る必要があるのです。

 

その参考としてターゲット1900。これをひと通り、講師自身が確認しておくことで、生徒がどれだけ大きな壁にぶつかっているかを理解することができます。

 

案外むずかしいですよ、これ。


おそらく私でも1900の後半部分はほとんど忘れています。 


たまには単語を訓練しておきましょう。単語の意味を聞いてきた時に毎回辞書を引いているようでは、生徒からの信頼を損なう可能性がありますので。


 

〜数学編〜

小学校6年間の算数が6時間でわかる本

特徴:社会人向けにつくられた算数の教科書

 

使用用途:自分にとっての算数の当たり前を崩して説明してくれる

 

私はけっこう「小学生の○○が☓時間でわかる本」というのを気に入っています。これはもともと社会人が小学校や中学校で学ぶこと(教養)を復習するために作成された本ですが、本当にわかりやすく書いてあります。

 

この本を指導にどう活かすか。実は塾講師って指導するときに悩むことは「どのような切り口がわかりやすいか」ということです。どのような論理を使ったら理解しやすいのか。その視点を提供してくれるのがこの本です。もちろん本の中身をそのまま授業に用いることはできませんが、本からヒントを得ることは確実にできます。

 

この本は本当にクリアな説明です。苦手な人にはどういった思考をしてもらえばいいかまで書いてあります。

 

小学生に教えるのが苦手な方に、是非。

 

数学ガール 

特徴:数学と女の子に心をときめかす物語

 

使用用途:数学の面白さを再認識する

 

これは本当に面白いです。「これを読んで数学が面白いと思えなかったら数学は諦めたほうがいい」とまで思っています。

 

主人公の「僕」と、その周辺の女の子たちが織り成すライトノベル風数学読み物です。登場する数学のレベルは中学~大学レベルまでとかなり幅広いです。しかし、小中学生でも読んで理解できるところが多々あります。数学が得意な高校生であればかなりのところまでついていくことができるでしょう。

 

この本は数学についての知見を深められるだけではなく、「問題をどう解くか」「どのように人に教えるか」という指導の知識も学ぶことが出来ます。

 

きっと数学に胸をおどらせることでしょう。おすすめです。

 

〜国語編〜

大学で学ぶ議論の技法

特徴:論文の作り方について書かれている。


使用用途:自分の読解力を向上させたいとき、何を教えればいいかを知るために。

 

現代文を教えるって何をすればいいかわからない!

 

という方は多くいらっしゃると思います。それは当然です。日本語の文章の意味をどうやって読み取ればいいか、ということを具体的な方法(アルゴリズム)が見つかれば、ロボットがその方法で言葉の意味を理解できるようになってしまいます。

 

でもせめて、感覚でいいから、現代文を読み解く力を身につけてほしい、あるいは自分が身につけたいと思ったあなたには、是非この本を。

 

「どうしたらわかりやすい、説得力のある文章が書けるか」

「文章を批判的に読む方法」

 

この2点について本当に詳しく書いてあります。実際私はこの本を通じて、文章の読み解き方を学びました。そして以前までは苦手だった要約を、一瞬で作成できるほどまでになりました。

 

まずはこの本を読んでみてください。

 

どうしたら文章を読み解けるのか、感覚で理解できます。

 

そしてその感覚を生徒に伝えてあげてください。定式化はできないかもしれませんが、正しい感覚を共有しようという意思が、きっと生徒の国語力をあげます。 

新版完全征服 頻出現代文重要語700

特徴:現代文の重要語句が収録されている

 

使用用途:難しい概念を、わかりやすく説明するための自分の勉強として

 

現代文でよく用いられる重要語句を簡単に解説しているもの。そもそも塾講師が「物語論」というのを理解していなければ、物語論について書いてある文章を解説することはできません。

 

もしかしたら問題は解くことはできるかもしれませんよ?


でもその文章が何をどのように書いてあるかを、生徒はやっぱり知りたいわけです。

 

物語論について書いてある文章でしたら、物語論について塾講師は独自の説明をして、生徒に理解させてあげてください。

 

 

そうして文章を読むと必ず生徒は、「あーーーーなるほどーー!」と叫んでくれますから。

 

おわりに

 ここまで、英数国の3教科について様々な書籍を紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。

 

大切なのは、自分の知識や指導能力を常に研鑽し続ける、ということにあると思います。学ばないと、教えないと、自分の能力はどんどん劣化していきます。ですので、ぜひ一流の講師を目指すならば、常に自己研鑽をしなければならないと私は考えています。

 

そのような皆さんに、本記事で紹介した書籍がお役に立てましたら幸いです。

 

ぜひ一緒に日々の講師業をがんばってまいりましょう。

 

<合わせて読んでいただきたい記事>

キーワード

新着記事

画面上部に戻る