大学教員/講師からの転職におすすめの転職先や転職理由を解説!
大学教員として働く中で、仕事のストレスや将来への不安から転職を考えている方もいるのではないでしょうか。一方で、「大学教員から他業種へ転職できるのか」「これまでの経験を活かせる仕事はあるのか」と不安に感じる方も多いでしょう。
この記事では、大学教員・大学講師からの転職を考えている方に向けて、転職の実態や転職理由、おすすめの転職先、よくある疑問、選考対策について解説します。
大学教員としての経験を活かしながら、自分に合った転職先を考えるための参考にしてください。
目次
■大学教員から他業種への転職は可能?
・大学教員の離職率
・大学教員の離職理由
■大学教員・講師が転職を考える理由
・理由①仕事上のストレス
・理由②将来への不安
■大学教員・講師のおすすめの転職先
・民間企業や研究機関の研究員
・塾講師・家庭教師
■大学教員・研究者からの転職でよくある疑問Q&A
■選考対策について
大学教員から他業種への転職は可能?
そもそも大学教員から他業種へ転職した人がいるか気になる方も多いのではないでしょうか。ここでは統計データより大学教員の離職率とその理由から転職の実態について紹介します。
大学教員の離職率
文部科学省の統計から大学教員の離職率は約7%でした。日本全体の離職率は厚生労働省の統計より15.0%と公表されているので、大学教員の離職率は低いといえます。
文部科学省の調査によれば、全体の約67%が雇用期間の定めがない条件で働いており、これが雇用の安定性につながっています。そのため大学教員の多くが安定的な雇用条件で働いている状況です。
他の理由に大学教員の平均年収が高いことが挙げられます。厚生労働省の統計調査より、教授の平均年収は約1,082万円、准教授の平均年収は約876万円、講師・助教の平均年収は約712万円でした。一方、日本の平均年収は国税庁の調査より478万円です。よって大学教員から他業種へ転職した際に年収が下がってしまう場合が多いため離職率が低いと考えられます。
出典:文部科学省 令和4年度(中間報告)学校教員統計調査
博士人材のキャリアパスに関する参考資料
厚生労働省 令和4年度雇用動向調査結果の概要
令和7年賃金構造基本統計調査
国税庁 令和6年分 民間給与実態統計調査結果
大学教員の離職理由
文部科学省の統計より、大学教員の離職理由の約34%が転職のためと公表されています。このデータから判断すると大学教員からの転職は十分可能と考えられます。

出典:文部科学省 令和4年度(中間報告)学校教員統計調査
大学教員・講師が転職を考える理由
大学教員の転職理由は主に仕事上のストレスと将来への不安が挙げられます。それぞれ詳しく紹介します。
理由①仕事上のストレス
仕事上のストレスにはいくつかの要因が挙げられます。一つ目の要因は研究費が足りなくて活動ができないことです。研究には様々な機材の購入や国際的な学会への参加など、多岐にわたる経費が必要になります。しかし現在、大学が提供する資金だけではこれらの費用を十分に賄うことが難しいといわれています。そのため、科学研究費助成事業(科研費)など外部からの資金調達が必要な状況です。こうした要因から、研究活動を十分に行うことが難しく、研究者たちがストレスを抱えるケースが増加していると言われています。
実際、大学部門の研究開発費の伸びを国際比較すると、2000年を1とした場合の指数(名目額)は、米国3.4・ドイツ2.7・フランス2.2と伸びている一方、日本はわずか1.0とほぼ横ばいで、主要国の中でも突出して研究費が伸び悩んでいることが分かります。
二つ目の要因は人間関係です。大学は教員の序列によるしがらみや学生への対応など、人間関係に疲弊してしまう要因が多い職場環境といわれています。その結果、心身ともに疲れてしまう人も少なくないと聞きます。
三つ目の要因は研究成果がでないことです。研究は成果がでないと、自身の評価や将来のキャリア展望に大きな影響を与える可能性があるため、非常に重要です。しかしテーマによって結果の出るスピードが大きく異なります。そのため、なかなか結果が伴わない状況が続くと大きなストレスを抱えてしまい、研究に対するモチベーションが落ちてしまうようです。
出典:科学技術・学術政策研究所(NISTEP) 科学技術指標2025
理由②将来への不安
大学教員のキャリアパスは助教、講師、准教授、教授の順番で進みます。一般的に講師からは雇用期間が決まっていない場合が多く、定年まで勤めることが可能です。一方、助教は雇用期間が決まっている場合が多く、雇用期間が終わると職を失います。そのため任期中に結果を出して、勤務先で上のポストに就くか他の大学で採用されなければ大学教員を続けることができません。
しかし現状、上のポストがそもそも空かなかったり、雇用期間のないポジション自体の募集が少ない状況です。そのため年齢が若い大学教員は将来の不安を抱えながら仕事をしています。また家庭を持っている人の場合、長期のライフプランを考えている人が増えます。このような背景から安定した仕事に就きたいという気持ちが強まって、民間企業に転職することを考えるようです。
大学教員・講師のおすすめの転職先
ここでは大学教員から他業種への転職でおすすめな職種を紹介します。それぞれいままでの経験が活きてくる仕事なので、ぜひ参考にしてください。
| 転職先 | 転職に活かせる 大学教員の経験・強み |
向いている人 |
| 民間企業・研究機関の研究員 | 専門知識、研究経験、 論文執筆、分析力 |
専門性や研究経験を 活かして働きたい人 |
| 塾講師・家庭教師 | 指導経験、説明力、 専門分野の知識 |
教育に関わり続けたい人、 指導経験を活かしたい人 |
大学教員として培った経験は、転職先によって異なる形で活かせます。それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
民間企業や研究機関の研究員
おすすめの理由は専門的な知識や経験が活きる仕事だからです。そのため転職後のギャップを感じずに仕事ができます。
他の理由として転職による年収低下を抑えることができるためです。令和7年賃金構造基本統計調査より研究職の平均年収は約802万円で、講師・助教の平均年収(約712万円)と同等以上の水準のため、離職率が低い理由で挙げた年収の問題が解決できます。
塾講師・家庭教師
理由の1つ目は教育経験が活きるためです。過去大学で学生に指導した経験を活かして仕事することができます。指導経験を活かす仕事は他に小学校や中学、高校の教員がありますが、教員免許の取得が必要です。
理由の2つ目は仕事とプライベートの調整ができる点です。塾講師の場合、勤務時間は午後から夜が一般的で午前中にプライベートな時間を過ごすことができます。家庭教師は条件によってシフト調整が可能な職種です。そのため仕事とプライベートのバランスがとりやすく、ワークライフバランスを考えている人はおすすめです。
理由の3つ目は学歴を武器にできる仕事だからです。特に高学歴は塾講師・家庭教師の魅力のひとつになります。
大学教員・研究者からの転職でよくある疑問Q&A
任期付きポジションのまま将来に不安を感じています。転職はまだ早いでしょうか?
国立大学協会の資料では、2023年5月時点で40歳未満の国立大学教員の59.3%が任期付きとされています。任期の不安を理由に転職を検討すること自体、決して珍しいことではありません。「任期が切れてから」ではなく、研究費の確保状況や次のポストの見込みを早めに棚卸しし、余裕を持って情報収集を始めることをおすすめします。
塾講師ステーション情報局編集部
研究者としての経験は、塾講師や民間企業でどう活かせますか?
専門分野の知識はもちろん、論文執筆や学会発表で培った「複雑な内容をわかりやすく伝える力」は、塾講師の指導や、民間企業でのプレゼン・資料作成に直結します。特に理系科目の指導経験は、個別指導・集団指導を問わず高く評価される傾向があります。
塾講師ステーション情報局編集部
転職すると年収は下がりますか?
一概には言えません。民間企業の研究職であれば専門性次第で大学教員時代と同等以上の年収も見込めますが、未経験の業種に飛び込む場合は一時的に下がるケースもあります。重要なのは「今の年収」そのものより「生活に必要な最低ライン」を把握しておくことです。
塾講師ステーション情報局編集部
大学教員としての経歴は、他業種の採用担当者にどう見られますか?
「専門性は高いが、現場に馴染むまで時間がかかるのでは」という懸念を持たれることもあります。面接では、研究活動の中で培った「期限管理」「共同研究でのチームワーク」「資料作成・プレゼン能力」など、業務に直結するスキルを具体的な言葉で伝えることが重要です。
塾講師ステーション情報局編集部
出典:国立大学協会 国立大学協会声明「我が国の輝ける未来のために」(令和6年6月7日)「国立大学の40歳未満教員の雇用状況」
選考対策について
選考対策は自己分析、業界研究、志望動機、書類の順で進めていきます。過去にやった人も改めて行うことを推奨します。特に大学教員の場合は自身の研究について説明すること多いでしょう。その際、自身の研究分野について知らない人でも理解できるように説明をすることが重要です。
教員の対策と類似している部分が多いので、詳しい対策については以下の記事をご参照ください。
| 教員から転職するなら?おすすめ転職先9選を年代別に紹介! | ![]() |
まとめ
本記事では「転職の実態」と「転職理由」、「おすすめ転職先」、「選考対策」について紹介してきました。
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