固定残業制度とは、あらかじめ一定時間分の残業代を基本給に含める形で支給する制度で、学習塾の正社員求人でもよく利用されている制度です。
「毎月、一定の時間数残業しなくてはならないのではないか?」など、不安に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、収入の安定性につながるなどのメリットもあります。
本記事では、固定残業制度の仕組みや従業員にとってのメリット・デメリットを詳しく解説します。
<目次>
1.固定残業制度の仕組み
2.固定残業制度の従業員視点でのメリット・デメリット
3.仕事探しの際、確認すべきポイント

1.固定残業制度の仕組み
「固定残業代制」とは、毎月の基本給に加えて、固定残業代(定額残業代、固定残業手当)を必ず支給する制度です。
実際に具体的な求人の事例で見てみましょう。
<例>月給:30万5千円(ただし、固定残業代30時間7万5千円を含む)
→月の残業が30時間を超過した場合、超過分を別途支給
→月の残業が30時間未満の場合でも、7万5千円を含む全額を支給
「固定残業代●●万円を含む」などと求人に書かれている場合でも、必ず毎月その時間数残業が発生するというわけではありません。
特に学習塾の場合、季節講習や入試の時期などの繁忙期とその他の時期で繁閑の差が大きくなりやすいですが、毎月必ず記載の金額は支給されるということになります。
固定残業制度を取り入れている企業では、この固定残業時間を超過しての支給は避けたいため、業務改善や役割分担の見直しなどの企業努力が多くみられます。
また、従業員側もなるべく残業を発生させないように業務の効率化を図ることで、残業せずとも残業代がもらえている状態になります。
もちろん、実態は企業ごとに異なりますし、デメリットも存在しますので、この後見ていきましょう。
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2.固定残業制度の従業員視点でのメリット・デメリット
ここからは、固定残業制度のメリット・デメリットについて紹介していきます。
固定残業制度の従業員視点でのメリット
収入の安定性固定残業代が含まれていることで、毎月の給与が一定額以上確保されるため、収入の見通しが立てやすくなります。
残業が少ない場合の実質的なメリット実際の残業時間が固定残業時間を下回った場合でも、固定残業代が全額支給されるため、実質的に基本給が高くなる形になります。
時間外労働の透明性固定残業制度を導入している企業では、あらかじめ「固定残業代に含まれる時間数」とその金額が明示されるため、残業代に関するトラブルが減少する傾向があります。
固定残業制度の従業員視点でのデメリット
基本給が低く抑えられている場合がある固定残業代制は、求人広告の見栄えをよくするために利用されることがあります。
例えば、
①「月給30万円(ただし、固定残業代30時間分を含む」
②「月給25万円(残業代は別途支給)」
の2つの求人があった場合、①の方がパッと見たときの給与が高く見えるためです。
ですので、求人を比較する際には、実際に毎月得られる給与と仕事時間を冷静に見比べることが必要です。
残業時間の偏り繁忙期と閑散期がある業種では、固定残業代が実際の労働時間と乖離する可能性があり、不公平感を抱く場合があります。
例えば、固定残業代20時間分が月給に含まれている企業で、「5月は残業が総計5時間だったが、12月は20時間だった」という場合でも両月同じ給与となります。
当然、多く働いた月の方が疲労感は大きいものですから、それに対して同じ給与ということに心理的負担を感じる方もいらっしゃるようです。
仕事探しの際、確認すべきポイント
学習塾の正社員求人を検討する際には、以下の点を確認することが重要です。
固定残業代に含まれる時間数と金額
固定残業時間を超えた場合の追加支給の有無
実際の残業時間が固定残業時間と一致しているかどうか
これらを事前に確認することで、入社後のギャップを減らし、自分に合った働き方ができる職場を見つけることができます。
実際の残業時間について、求人内に記載がない場合は、企業説明会や1次面接の場で担当者に聞いておくことをおすすめします。
固定残業制度にはメリットとデメリットが存在しますが、自分の働き方やライフスタイルに合った制度を選ぶことが重要です。求人情報をしっかり確認し、自分に最適な職場を見つけましょう。
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