教員の年収はいくら?校種別の平均と民間との差を公的統計で解説
「自分の年収は、高いのか低いのか」。教員をしていると、比べる相手が同じ職場の先生しかいません。
判断がつかないまま働いている方に向けて、この記事を書きました。
公立教員の年収は、年収換算で小・中学校が約494万円、高校が約520万円です。 もとになる平均給与月額は小・中学校411,965円、高校433,141円で、これを12倍した金額になります。
この金額に賞与は含んでいません。 期末手当・勤勉手当の支給月数は自治体の条例で決まり、
全国一律ではないためです。
総務省と国税庁の調査から、校種別の平均と、民間と比べるときの条件を揃えて整理しました。
【この記事のまとめ】
- 公立教員の年収は、年収換算で小・中学校 約494万円/高校 約520万円(平均給与月額411,965円・433,141円の12倍。賞与は含まない)
- 高校が約2万円高いのは校種の差ではなく、平均年齢の差(高校44.7歳/小・中41.5歳)
- 民間と比べる相手は平均478万円ではなく、正社員の年収545万円
目次
■教員の年収は約494万円。平均給与月額411,965円から換算した目安です
・高校が2万円高いのは、平均年齢が3.2歳上だから
■給料は35,681円多く、手当は26,477円少ない
・「がんばっても変わらない」のは評価ではなく設計の話
■民間と比べるなら、同じ土俵は正社員の年収545万円
・塾業界も、時間の面で楽な業界ではありません
■よくある質問
■まとめ:年収は「額面」より「構造」で見る
教員の年収は約494万円。平均給与月額411,965円から換算した目安です
この金額を見て「思っていたより高い」と感じる方もいれば、「実感と違う」と感じる方もいます。
総務省が令和6年4月1日現在で全地方公共団体を調べた結果で、教員の待遇を語るときの出発点になる数字です。
まずはあなたの給与明細と並べてみましょう。
表:職種区分別の平均給与月額(令和6年4月1日現在)
| 職種区分 | 平均年齢 | 平均給料月額 | 諸手当月額 | 平均給与月額 |
|---|---|---|---|---|
| 高等学校教育職 | 44.7歳 | 370,300円 | 62,841円 | 433,141円 |
| 小・中学校教育職 | 41.5歳 | 353,632円 | 58,333円 | 411,965円 |
| 一般行政職 | 42.1歳 | 317,951円 | 84,810円 | 402,761円 |

職種別の平均給与月額と平均年齢。高等学校教育職は約43.3万円で平均44.7歳、小・中学校教育職は約41.2万円で41.5歳、一般行政職は約40.3万円で42.1歳(令和6年4月1日現在・総務省)
出典:総務省「令和6年地方公務員給与実態調査結果等の概要」第9表(令和6年4月1日現在)より
この表は、そのまま自分に当てはめてよいのでしょうか。表を見るときに、ひとつ気に留めておきたいことがあります。
「高等学校教育職」には特別支援学校と専修・各種学校が、「小・中学校教育職」には幼稚園の教員が含まれます。 あなたの校種だけの平均だと思って読むと、実態とは少しずれてしまいます。
目安として受け取っていただくのがちょうどよい数字です。
高校が2万円高いのは、平均年齢が3.2歳上だから
では、高校のほうが待遇がよいのでしょうか。
ただ、2万円ほどの差が生まれている理由は校種ではなく、平均年齢が3.2歳上であることにあります。
給料表は経験年数に応じて上がっていくため、年齢構成が高い集団ほど平均も高く出ます。
そのため、金額を左右しているのは校種ではなく年齢構成です。
なお、教員の年収を調べるたびに、違う金額が出てくることに気づいた方もいるはずです。
理由は、何を足して年収と呼んでいるかが違うからです。 公立教員の年収は「毎月の給与」と「期末手当・勤勉手当(年2回の賞与)」でできています。総務省の調査で分かるのは前者だけです。
上の平均給与月額を12倍すると、小・中学校教育職は約494万円、高等学校教育職は約520万円です(411,965円×12、433,141円×12。)。この金額は、上記調査の数値から当編集部が計算した値です。
ここに賞与が上乗せされますが、支給月数は自治体の条例で決まるため全国一律ではなく、合計額は断定しません。
給料は35,681円多く、手当は26,477円少ない
合計額だけを見ると教員のほうが上ですが、中身を開いてみると形がまるで違います。
- 平均給料月額:小・中学校教育職 353,632円 > 一般行政職 317,951円(35,681円多い)
- 諸手当月額:小・中学校教育職 58,333円 < 一般行政職 84,810円(26,477円少ない)

職種別の給料月額と諸手当月額の内訳。高等学校教育職は370,300円+62,841円=433,141円、小・中学校教育職は353,632円+58,333円=411,965円、一般行政職は317,951円+84,810円=402,761円(令和6年4月1日現在・総務省)
出典:総務省「令和6年地方公務員給与実態調査結果等の概要」第9表(令和6年4月1日現在)より
手当が薄いのは、教員には時間外勤務手当(残業代)が支給されないためです。
代わりに教職調整額があり、これは同じ調査の注記で「平均給料月額」に含まれると明記されています。
給料が厚く見える分の一部は、この振り替え分です。
もうひとつ知っておきたいのが、金額よりも性質のほうです。
教職調整額は、働いた時間に応じて増えません。 在校等時間が9時間の日も13時間の日も、支給額は同じになります。
参考までに、教諭の平日1日当たりの在校等時間は小学校10時間45分・中学校11時間1分で、1週間当たりの正規の勤務時間は38時間45分です。
出典:文部科学省「教員勤務実態調査(令和4年度)集計【確定値】」(令和4年度)より
「がんばっても変わらない」のは評価ではなく設計の話
「これだけやっても変わらない」と感じたことがあるなら、原因は評価ではなく、時間と金額が連動しない設計にあります。
ここを分けて考えられると、必要のない自己否定をしなくて済みます。
そしてこの点は、待遇を考えるときに効いてきます。
「給料が不満」の中身が、金額そのものなのか、働いた分が返ってこないことなのかで、打つ手が変わってくるからです。 前者は水準を比べれば判断できますし、後者は金額を上げても解消しません。
あなたがどちらなのかを、一度言葉にしてみましょう。
民間と比べるなら、同じ土俵は正社員の年収545万
では、民間と比べるとどうでしょうか。その相手になる数字も見ておきましょう。
国税庁の調査では、令和6年分の1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与は478万円、正社員(正職員)は545万円でした。

教員と民間の平均年収の比較。教員(小・中学校)約494万円、正社員545万円、給与所得者の平均478万円、正社員以外206万円。比べる相手は正社員で、給与所得者の平均には正社員以外が含まれる
出典:国税庁「令和6年分民間給与実態統計調査結果について」(令和6年分)より
先ほどの約494万円と478万円を並べて「教員のほうが高い」と読むと、条件が揃いません。 478万円にはパート・アルバイトを含む正社員以外(206万円)が入っているためです。
並べる相手は正社員の545万円になります。
一方で教員側には賞与が乗っていませんので、教員の数字も本来はここから上がります。
どちらが高いかを1つの数字で言い切るのは難しいです。 ただ、条件さえ揃えれば比べられます。
出典と、何を足した数字なのか。この2点だけ確かめておきましょう。
塾業界も、時間の面で楽な業界ではありません
もう一点だけ触れておきます。授業が夕方から夜になるので生活リズムは変わりますし、繁忙期もあります。
「教員をやめれば時間が戻る」と単純には言えませんので、そこは求人ごとに条件を見て判断していただくのが確実です。
よくある質問
Q. 自分の正確な年収を知るにはどうすればいいですか?
「結局、自分はいくらなのか」。ここを確かめる方法を先にお伝えします。
それなら源泉徴収票の支払金額を見るのが確実です。 平均と比べるより速く、賞与も込みの実額が分かります。
この記事の平均値は物差しとして使い、あなたの実額と並べてみましょう。
Q. 賞与を足すと年収はいくらになりますか?
この記事では断定しません。 期末手当・勤勉手当の支給月数は自治体の条例で決まるため、全国一律ではないからです。
月額の12倍(小・中学校で約494万円)に、お住まいの自治体の支給月数を掛けた額が上乗せされる、という形でご確認ください。
Q. 高校の先生のほうが年収が高いのですか?
平均値では高く出ています。
ただ、理由は校種ではなく平均年齢が3.2歳上であることです。 同じ年齢どうしで比べたときに高校が高い、という意味ではありません。
まとめ:年収は「額面」より「構造」で見る
- 教員の年収は小・中学校 約494万円/高校 約520万円(平均給与月額411,965円・433,141円の12倍。賞与は含まない)
- 校種の差の大部分は平均年齢3.2歳の差で説明できる
- 民間と比べる相手は正社員の年収545万円。全体平均478万円は雇用形態が混ざっている
①金額 ②上がり方 ③時間との連動。このどれなのかを決めれば、次にすることは自然に見えてきます。
具体的な選択肢は教員から他業種へ転職する場合と塾講師の年収の内訳にまとめています。
動くかどうかを決めるのは、まだ先で構いません。この記事が、ご自身の年収を見直すときの判断材料になれば幸いです。
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