分かる現代経済!②市場編-価格って誰が決めてるの?

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  • 2015年07月17日公開
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市場

「市場と競争」-価格は需要と供給によって決まる!!

需要と供給。

誰もが一度は聞いたことのある用語でしょう。


この需要と供給という用語は、市場において互いに影響しあう時の人々の行動を指しています。

市場とは、1つ1つの財・サービスにおける売り手と買い手の集まりのことです。

価格を固定すれば買い手の総数によって売り手の生産物の供給量が決まります。

価格と買い手と売り手がどの様に行動するかを考える前に、


  • 「市場」という言葉の意味
  • 経済で観察されるさまざまなタイプの市場


についてもう少し考察してみましょう。

 

「完全競争市場」

市場は様々な形態をとります。

多くの農産物市場のように、高度に組織化された市場も存在します。

しかし、多くの市場はそれほど組織化されていません。

組織とはリーダーが存在し、それに仕える部下が存在してこそ成り立つものです。
 

今、地球上でもっとも偉い人がだれか?と聞かれても誰も答えることはできません。

このように組織化は簡単にできるものではありません。

そこで考えるのが競争市場です。

競争市場とは、多数の買い手と売り手が存在し、特定の買い手や売り手が市場価格に与える影響を無視できる市場のことです。

 

 

具体的にドーナツで考えてみましょう。

すなわちドーナツ市場です。

 

 

ここではそれぞれのドーナツの売り手は、他の売り手が同じような商品を販売しているのでドーナツの価格に対して限定された支配力しかもちません。

 

つまり、誰かが価格を決めることはできない!ということです。

 

なぜならば現在の相場よりも安く売る必要はないし、高く売ろうとすれば買い手はほかの店でドーナツを買うからです。

 

同様にどのドーナツの買い手もわずかな量しか購入しないためドーナツの価格を左右することはできません。

 

競争市場ー多数の買い手と売り手が存在し、特定の買い手や売り手が市場価格に与える影響を無視できる市場

 

このようにドーナツだけでなく食料品、日用品など現実には様々な種類の市場が存在し、すべてをまとめて扱うことは難しいように思われます。

 

そこでここでは完全競争市場を仮定することにします。

 

市場が完全競争的である、とはどういうことなのか。完全競争市場は次の2つの特徴を持っている。

 

1.販売されている財はすべて同じものである。

2.売り手と買い手が多数存在し、市場価格を左右できるような単独の売り手や買い手は存在しない。

 

先ほどのドーナツの例で説明すると、

1.ドーナツの種類はどの店も同じ。

2.巨大工場をもつ会社やドーナツ好きの大富豪は存在しない。

となります。

 

かなりつまらない社会のように思えるかもしれませんが、この制約によって需要と供給について考察することができます。

それではこの完全競争市場を仮定して需要と供給、そして価格の決まり方について考えていきましょう!

 

 

なお、完全競争市場においては売り手も買い手も市場で決まった価格を受け入れるしかないので価格受容者(プライステイカー)と呼ばれます。

なぜ完全競争市場を仮定するかー発展編

完全競争市場は分析が最も容易であり、なおかつほとんどの市場にはある程度の競争があるので完全競争市場における需要と供給の関係はより複雑な市場においても適用できるからです。

 

「需要」

需要量とは、財・サービスに対して買い手が買いたいと思い、かつ買うことのできる量のことです。

モノを欲しがる人が増えれば需要は増え、逆に欲しがる人が少なくなると需要は減ります。

個人の需要量に影響を与える要因は数多く存在しますが、市場の機能を分析するときには一つの要因が中心的な役割を果たします。

 

それは財の価格です。

 

価格に注目すると「価格が安くなれば買う」「高いからやめておこう」という消費者の一般的行動が読み取れます。

このように需要量が価格の上昇につれて減少し、価格の下落につれて増大することを、財の需要量は価格と負の相関関係にあるといいます。

また、このことを需要法則ともいいます。

 

下のグラフは需要法則を図示したものである。

ちなみに、Dというのはdemandの頭文字からもってきています。

需要は英語でdemandと訳します。

需要法則・・・価格が上昇すると需要量は減る!!


 

「供給」

供給量とは、売り手が売りたいと思い、かつ売ることのできる量のことです。

供給量を規定する要因は数多く存在します、ここでも分析の中心的な役割を果たすのが価格です。

供給者は常に利潤最大化を考えており、価格が上がれば生産量を増やすことで利潤を高められます。

逆に価格が下がると多く作っても利益が減るので生産量を減らします。



このように供給量が価格の上昇につれて増大し、価格の下落につれて減少することを、

財の供給量は価格と正の相関関数にある
といいます。

 

また、このことを供給法則ともいいます。

 

下のグラフは供給法則を図示したものです。供給は英語でsupplyと表現するのでグラフにSをつけています。

供給法則・・・価格が上昇すれば供給量も増える!

 

「需要と供給を組み合わせる」

これまでに見てきた需給曲線を1つにまとめて考えてみましょう。

下の図は市場需要曲線と市場供給曲線を1つの図に描いたものです。

 

この曲線をDS曲線と呼びます。

 

また、この2本の曲線の交点のことを市場均衡点といいます。

市場均衡点における価格を均衡価格と呼び、数量を均衡取引量といいます。

 

 

このとき均衡価格においては、買い手が買いたいと思いかつ買うことのできる財の量と、売り手が売りたいと思いかつ売ることのできる財の量とが、正確に釣り合っています。

買い手と売り手の行動は、市場を需要と供給の均衡点へと自然に導いていきます。

 

なぜそうなるかを理解するために、市場価格と均衡価格とが異なる場合を考えてみましょう。

 

まず、市場価格が均衡価格を上回っているケースを考えます。

均衡価格がPe点とします。

今、市場価格がP1とします。(PeP1)。

このとき上の図より供給量が需要量を上回ることが分かります。

つまり、財が余っている(余剰)状態です。

 

 

売り手は、現在の価格では売りたいと思うだけの量を売り切ることができません。

この余剰の状態を超過供給ともいいます。

この場合、売り手は価格を引き下げることでこの超過供給状態を解消しようとします。

価格が下落することで、需要量は増加し供給量は減少します。

このようにして、価格は市場が均衡に達するまで下落し続けます。

 

 

今度は逆に、市場価格が均衡価格を下回っているケースを考えます。

均衡価格がPe点とします。

今、市場価格がP2とします。(PeP2)。

このとき上の図より需要量が供給量を上回ることが分かります

つまり、財が不足している状態です。


買い手は、現在の価格では買いたいと思うだけの量を買うことができません。

この不測の状態を超過需要ともいいます。

この場合、残っているある財を買う機会を求めて買い手は長い行列を作って待たなければいけません。

多すぎる買い手がほんの少ししかない財を求めているので、不足しているときには、売り手は売上を減らすことなく価格を引き上げることができます。

価格が上昇するにつれて需要量は減少し供給量は増加して、市場はやはり均衡に向かっていきます。

 

 

このように、多数の売り手と買い手の行動は、市場価格を自動的に均衡価格に導いていきます。

市場が均衡に到達すると、すべての売り手と買い手は満足するので、価格には上昇圧力も下降圧力もかかりません。

この価格調整による均衡化という現象は一般的に普及しているので、需要と供給の法則とも呼ばれます。

また、均衡価格では売れ残りがなく品不足もない状態です。よってこれを資源の最適配分といいます。

需要と供給の法則で価格は決まる!!


「均衡の変化を分析する」

これまでは、市場の均衡が需要と供給の組み合わせによって決まり、市場均衡において、売り手と買い手が売買する財の価格と数量とが決定されることをみてきました。

もちろん、均衡価格と均衡取引量は、需要曲線と供給曲線に位置に依存します。

次はある出来事がどちらの曲線をシフトさせ均衡点を変化させるか、について見ていきましょう。

 

ここでは以下に示す3段階の方法を使います。

1.需要曲線と供給曲線のどちらがシフトするかを決定する。

2.曲線のシフトの方向を決定する。

3.需給曲線の図を用いて、曲線がシフトした結果をみる。

 

需要曲線のシフトを誘発する要因は主に以下の通りです。

 ①所得      ②嗜好(流行)    ③買い手の数

①所得が増えれば当然買いたいと思う量そのものが増えるので需要曲線は右へシフトします。

②なにかが流行る場合も③買い手の数が増える場合も同様に需要曲線は右へシフトします。

 

 

供給曲線のシフトを誘発する要因は主に以下の通りです。

  ①生産力      ②賃金    ③売り手の数

①生産力が上がれば同じもの(同じ時間、同じ人)を投入しても産出されものが増えるので供給曲線は右へシフトします。

②賃金は減ると会社側のコストが減るのでより多くの生産ができ、③売り手の数が増えれば単純に総生産量は増加するので供給曲線は右へシフトします。

 

これらの関係を表にまとめると以下の通りになります。

 

供給は不変

供給は増加

供給は減少

需要は不変

P不変

P下落

P上昇

Q不変

Q増加

Q減少

需要は増加

P上昇

P確定しない

P上昇

Q増加

Q増加

Q確定しない

需要は減少

P下落

P下落

P確定しない

Q減少

Q確定しない

Q減少

P=Price:価格、Q=Quantity:量)

 

表で見ても何が起こっているか分かりにくいと思うので、実際に自分で手を動かしてグラフを何度も書いてみましょう。

そうすると何が起こると供給曲線が下に動くのかといういったことが具体的に頭の中でイメージしながら分かるようになります!

教える場合も表を用いるのではなく図を用いて指導しましょう!!

 

需要曲線、供給曲線の動きは図を何度も書いて理解する!!

 

「まとめ」

今回は需要と供給による価格の決まり方について述べてきました。

「完全競争市場」という限定的なものですが、商売を始める時には分かっていなければいけない基本的なことです。

日常生活で扱うことばかりでなく、高校の政経では実際に過去、センター試験で需給曲線について問う問題も出ています。

図を使って一度しっかり理解すれば忘れることはありません!

具体的に、イメージをもたせて指導しましょう!!

 

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