講師の皆様、こんにちは!
人材教育コンサルタントの上田一輝です。
今回は入社間もない講師の方に向けて、
“初めて授業をする前に押さえておきたいポイント”をまとめていきます!
研修を終え、いよいよ明日が初授業…。
緊張しますよね。
特に大学生の先生にとっては、人前で話す経験も、生徒から先生と呼ばれる経験も初めて。
緊張だけではなく、不安も多くあるかもしれませんね。
そこで、今記事では“明日講師デビュー”を控えたあなたのために、注意したいことをまとめてみました。
もちろん、まだ経験が浅く、授業のたびに「自分が考えている授業ができない…」と悩んでいる方にもおすすめです!
1、事前に“最初の3分間”を入念に練習しておく
事前に授業準備は済んでいますか?
先生のみなさんに私がこの質問をすると、多くの方は「はい!ばっちりです!」と答えてくれます。
しかし、残念ながら、
「では、本日の出だし部分を話してみてください」というと、
しどろもどろになってしまう先生が後を絶ちません。
先生方の授業案などを拝見すると、一生懸命予習してきたことがうかがえる人でも同様です。
では、どうしてうろたえてしまうのでしょうか。
理由は、練習をするときのコツを知らないからです。
私は講師研修の時、必ず“最初の部分を重点的に練習してほしい”と伝えています。
これは、最初の数分で生徒が抱く印象がほぼ決まってしまうからです。
導入部分で教師が生徒に信頼されないと、その後どんなに正しい・素晴らしいことを話していても、聞いてもらうことはできません。
そして1番まずいのが、生徒に“新人である”とばれること。
若い先生だな、と思われるのは仕方ありませんが、
新人だと思われると、一気に態度を崩す(なめてかかる)生徒が現れる可能性があります。
そうならないためにも、最初の印象形成は極めて重要です。
練習するときは、出だしだけはスマートフォン等で録画し、自分で見返してみるようにしましょう。
ポイントは以下の4点です。
- きちんと生徒(練習の時はカメラ)を見て話せているか
- あまりにつっかえたり、止まったりしていないか
- 声の大きさは適正か
- 笑顔で話すことができているか
もちろん、全て暗記してその通りに話す必要はありませんが、少なくとも出だしが失敗
しないように細心の注意を払うべきです。
大変だとは思いますが、最初の3分間は入念に練習を繰り返しておきましょう。
(参考)これだけ!教案(板書案・授業案)の作成テクニック!
―教案作成で悩んだら、コチラの記事がおすすめです。
2、生徒の個人的な質問には答えず、授業をはじめる
最初の授業は、急な代講だったり、他の先生の代わりで講義をしたり…というケースもあります。
そうすると、生徒は「なんで○○先生じゃないの~?」などと無邪気に聞いてきます。
ときには「先生、新人なんでしょ?」「何歳なのー?」と答えづらい質問も飛んでくることもあります。
そのとき、質問に対して無理にごまかそうとしておたおたしてしまうケースも…。
実は、これらの発言は極めて自然なものです。
(私が全く担当したことが無いクラスに入っても、同じことが起こります)
ですから、あなたが軽んじられているわけではないのです。安心してください。
では、具体的にどのように対処すればよいのでしょうか。
最も良い方法は「それは授業に関係ないよね?」と打ち切ってしまうことです。
無視してもよいのですが、そのことで更にヒートアップして発言する生徒の扱いがやや大変です。
なので、一言(少し厳しく、冷たい感じで)授業に関係ない発言は一切答えないし、するべきではない、ということを伝えましょう。
それでも止まらない場合は名前を呼んで「○○、いい加減にしなさい」と言えば、多くの生徒は落ち着きます。
ここでへこたれず、毅然とした態度を取るようにしましょう。
ただし、授業中もピリピリした雰囲気であるのは問題ですよね。
ですから、授業は楽しく、明るく話していいのです。
「今、先生が叱っている(怒っている)」ということが明確にわかるように、話し方を変えましょう。メリハリをつけるのは大事なことです。
(参考)自分の生徒にどうやって接したらいいの? ~生徒のタイプ別攻略法~―生徒を3つのタイプに分けて簡潔に、わかりやすく対処法を明示しています。
(コラム)誰もが最初は新人講師。失敗しても良いのです
今でこそ1500回以上、多い時は月20回以上も話す私であっても、もちろん新人講師のときがありました。
その時のことは、今でも鮮明に覚えています。
集団授業と聞いてはりきって練習したのに、教室には2人しかいない。
ちょっとがっかりしつつ、授業を始めてみると、うまく話したい言葉が出てこない。
慌てて黒板に文字を書いても、全然うまくかけない。
その後、生徒2人に「違う先生がいい」と言われ、すごくショックを受ける…。
はっきり言って、最初から素晴らしい授業をすることは、どんなに練習をしても難しいもの。
ですから、初回は失敗してしまう可能性は極めて高い、と開き直ってもよいのではないか、と感じています。
間違えて、失敗して、落ち込んだり、悔しがったりしていいのです。
それをバネに、より良い先生になるよう、努力していければ、必ず良い先生になることができます。
ただし、忘れてはいけないのは、生徒にとって“その授業の先生”はあなたしかいない、ということ。
常に自分のベストを尽くせるよう、お伝えしていることをしっかり実践してくださいね。
3、緊張はするものと諦め、早口にならないよう注意する
初回の授業はどんなに練習しても、とても緊張します。
ですから、緊張することを前提に授業イメージを組み立てましょう。
緊張すると一般的に、
- 話すことが早口になってしまう
- 声が震える
- 黒板を書くのが遅くなる
- 文字が弱々しくなる
といった状態に見舞われます。
特に注意してほしいのは、早口になること。
他の要素は大きく学習の妨げになることはありませんので、過度な心配は不要です。
しかし、早口になってしまうと、授業内容の理解が難しくなってしまいます。
さらには、授業自体を生徒に聞いてもらえなくなる可能性も…。
最初の授業では「早口にならない!」ことを意識しましょう。
また、緊張をほぐす“動作”を用意しておくとよいでしょう。
水を飲む・ツボを押す・一度深呼吸をする等が代表的ですが、自分オリジナルの方法があれば、ぜひそれを実行してください。
(ご自身が受験生だった時のテクニックでも結構です)
(参考)【体験談】集団指導に慣れるまで〜前半戦〜
―実際に大学生の方が、集団授業を初めて担当したしたときの様子がリアルに伝わります。
まとめ ~思いっきりやろう、失敗を恐れるな!
いかがでしたか。
「緊張する・失敗するのは仕方ないと割り切って、ベストを尽くそう」という視点は、意外だったかもしれませんね。
(多くの研修担当は“完璧な授業”を求める傾向にありますから…)
最後に、なぜ私が失敗してもよい、と考えているのか、お伝えさせてください。
講師にとって一番よくないと感じているのは、
「授業をすることが苦痛になってしまう」ことだと感じています。
生徒は先生の話している内容以上に、雰囲気を敏感に察知します。
ですから、どんなに上手な先生でも「めんどくさそうに」話している先生の授業を聞く生徒は少ないものです。
また、初授業の経験は、恐らく講師を続ける限り、記憶に残り続けるものです。
そのときに“失敗してしまったなぁ…”と引きずってしまっては、授業がどうしても萎縮してしまいがちです。(なるべくミスをしない授業を意識するあまり、おもしろい授業にならない)
恐らく、この記事を読まれている方の多くは、年齢的にも若い講師だと思います。
そんな皆様先生方の最大の武器は、生徒と年齢が近いこと。
言い換えると、明るく、元気に、楽しく、生徒に共感させながら授業がしやすいことです。
そして、そのためには自分自身が生徒と接すること楽しい!と感じながら授業をすることが、最も重要になります。
ぜひ、このことだけは忘れないでください。
授業前に心配をしても、きりがありません。
まずは思いっきり、楽しく授業を行いましょう。(失敗を恐れる必要はありません!)
そして授業後は必ず、振り返って改善するポイントを探していきましょう。
このサイクルを繰り返すことで、皆様の授業力も、生徒の学力も向上していきますよ。
ぜひ初授業をきっかけに、より良い授業を目指して努力して頂ければ幸いです!
最後に、3つのポイントを確認しておきましょう!
事前に“最初の3分間”を入念に練習しておく
生徒の個人的な質問には答えず、授業をはじめる
緊張はするものと諦め、早口にならないよう注意する
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