「塾講師バイトはきつい」って本当?現役が語るリアルと乗り越え方

執筆者
塾講師ステーション情報局
編集部
塾講師ステーション情報局上の記事の企画・執筆・編集を実施。塾講師バイトの記事を多数執筆している有識者など、塾業界に精通しているメンバーが所属。
「塾講師のアルバイトって、正直きついって聞くけど本当?」そんな評判を耳にして、不安に感じている人もいるかもしれません。そこで今回は、塾講師バイトのリアルな実態に迫ります。
「きつい」と感じやすいポイントを正直にお伝えするだけでなく、もしそうなった時の具体的な乗り越え方や、長く楽しく働ける「働きやすい塾」の見つけ方もあわせてご紹介します。現在塾講師バイトを検討している方、あるいは今の勤務先で悩んでいる方も、ぜひ最後まで読んで参考にしてみてください。
目次
塾講師バイトがきついと言われるのはなぜ?
個別指導の塾講師バイトがきついと言われる理由
集団指導の塾講師バイトがきついと言われる理由
塾講師バイトがきついときの乗り越え方
働きやすい塾講師バイトの探し方
きついと言われる塾講師バイトも工夫次第で働きやすくなる
なお、これから挙げる点は、あくまで塾によって状況が大きく異なる場合があることを、ぜひ頭に入れておいてくださいね。
塾講師バイトがきついと言われるのはなぜ?

1. 給与が発生しない「時間外労働」
塾講師バイトでは、普段の授業以外に予習・復習や指導報告書の作成も大切な仕事です。しかし、これらの準備や事務作業が「時間外労働」とみなされ、給与が支払われないケースも少なくありません。せっかく時間をかけて準備しても、それが給与に反映されないのは、モチベーション維持の大きな壁になりがちです。
2. 授業でのプレッシャーと休憩環境
日々の授業では、生徒一人ひとりの理解度に差があるため、計画通りに進まないこともよくあります。そんな時、「教え方が悪いのかな」「授業が遅れている」と焦りやプレッシャーを感じてしまう講師もいるでしょう。
また、塾によっては休憩スペース(バックヤード)が十分に用意されていないこともあります。授業の合間にゆっくり休めなかったり、食事をとる場所がなかったりすると、心身ともに疲れが溜まりやすくなります。
3. ルールによる制約
さらに、塾によっては服装規定が厳しかったり、他のアルバイトとの掛け持ちが禁止されていたりするケースもあります。こうした規則が、自由に働きたい学生にとってはストレスの原因となることも、「きつい」と感じる理由の一つとして挙げられます。
個別指導の塾講師バイトがきついと言われる理由
一口に塾講師バイトと言っても、個別指導か集団指導かできついと言われる背景は異なります。個別指導講師の実際の意見をもとに実態を解説します。
生徒の理解が思うように進まないことがある
生徒の勉強意欲がなくなって困っています!
中学3年生の男子生徒を担当しています。
その男の子は、スポーツ推薦を使い、高校に入学しようとしていて、あまり勉強意欲がありません。勉強が大切ということをどのように伝えていけばいいのか悩んでいます…
投稿者:ma(塾講師ステーションの過去のアンケートより)
塾講師の悩みとして、生徒の理解度によって授業が計画通りに進まないことがあります。特に、生徒に意欲がない場合、どうやる気を引き出すかが課題です。
個別指導は1対1のため競争心を養いにくい側面もあります。しかし、これは生徒と密な関係を築くチャンスでもあります。1対1だからこそ、生徒の学力だけでなく、他の課題にも気づきやすく、よりきめ細やかなサポートができる強みがあります。
生徒との相性に進捗が左右されやすい
生徒との関係のことで悩んでいます。
授業をしているときに生徒が、「僕あの先生に教えてもらいたい!」と言ってきたのです。そのときは、生徒の言葉を受け流して授業をしていたのですが、終わってからその言葉が思い起こされ、悲しくなりました。これは塾長に相談して、担当を変えてもらったほうがいいのでしょうか?その生徒の成績は、あまり上がっていない状況です...。
投稿者:はなこ(塾講師ステーションの過去のアンケートより)
生徒も塾講師もお互いに人間である以上、相性の良し悪しは避けて通れません。相性が悪いと生徒の理解度にも影響を及ぼしますが、ただ良ければいいというものでもありません。相性が良すぎて馴れ合いの関係になってしまうと緊張感が欠如し、授業に集中できなくなってしまうためです。
このように、ある程度の緊張感が求められるのですが、個別指導ではその調整が難しく感じられることも多いです。
予習復習に給料が発生しないことがある
わたしは先日まで、塾講師としてバイトをしていましたが、時間外勤務が多くまた、その時間帯の給料は出ませんでした。 これは、当たり前なのですか?
投稿者:ゆきな(塾講師ステーションの過去のアンケートより)
予習復習に給料が発生しない塾は少なくありません。ただ、実際に時給換算してみると、その中に予習復習の分まで反映されていることもあります。しかし、明らかに予習復習の所要時間が多い場合は要注意です。
生徒数が増えた際の対応に困る
個別指導なんですが、二人の生徒を相手にすることがよくあります。そのときの授業の組み立てがあまり上手くいかないです。片方ばかりに集中してつきっきりになってしまったり、逆に二人へ気を配りすぎてあまり進まなかったりとなかなか上手くいかないです。どうすれば上手く二人もちの授業ができるのでしょうか。アドバイスくれるとうれしいです!
投稿者:taka(塾講師ステーションの過去のアンケートより)
個別指導塾でも、実は1対2や1対3といった形で複数の生徒を同時に教えることは珍しくありません。
生徒が増えても授業時間は変わらないため、限られた時間の中で、いかにバランス良く授業を進めるかが塾講師の腕の見せ所です。それぞれの生徒の進捗や理解度を見極めつつ、効率的に指導する工夫が求められます。
集団指導の塾講師バイトがきついと言われる理由
集団指導がきついと言われる理由についても、先輩の声から分析していきます。
生徒の理解度に差がありプラン立てが難しい
授業の進行をどのように進めればいいのかわかりません!!以前まで個別指導の塾講師をし、夏期講習から集団指導をすることになりました。個別指導では、生徒との距離が近く、わからない単元を中心に教えていく感じで授業をしていました。集団指導では、多くの人がいるため、多少わかりずらいところがあっても進行していかなければならないと思います。そのときにどれくらいの生徒がわかっていそうだったら進めたり、演習問題を増やしたりしていますか?また、どのように理解度をチェックされていますか?よろしくお願いします。
投稿者:ないものねだり(塾講師ステーションの過去のアンケートより)
個別指導では、生徒一人ひとりに合わせてきめ細かな授業プランを立てやすいというメリットがあります。しかし、集団指導となると、理解度が異なる多数の生徒を同時に指導することになるため、授業プランを構築する難易度は高まります。
加えて、多くの生徒の中から、誰がどこでつまずいているのかを瞬時に見抜く観察眼も求められます。
「多数の生徒の理解度を見抜くのは難しく感じるかもしれません」と思う方もいらっしゃるでしょう。しかし、模試や定期テストの結果などを活用することで、生徒たちの現在の学力や理解度を把握し、より効果的な指導につなげることが可能です。
集中しない生徒たちを取りまとめるのが大変
春から高校生の集団授業を受け持っており、週2回授業をしています。はじめはわたしも生徒も緊張感をもって授業に取り組んでいたのですが、慣れてくるにつれて授業中に隠れて携帯を使う生徒がちらほら出てきました。今はまだ見て見ぬ振りをしていますが、私自身気になってしまい、今後の授業にも影響が出てくると思うのでやめてもらいたいのですが、どう対処すれば良いでしょうか?
投稿者:megane(塾講師ステーションの過去のアンケートより)
生徒が授業に集中してくれないと、確かに授業全体の進行に影響が出てしまいます。そのため、騒いでいる生徒、なかなかやる気を出さない生徒、あるいは居眠りをしてしまう生徒など、様々な生徒を上手に取りまとめながら授業を進めるテクニックが求められます。
例えば、少し態度に問題がある生徒に積極的に問題を当ててみたり、発言の機会を増やしたりするなど、彼らを授業に積極的に巻き込んでいく方法はとても有効です。こうした工夫を通じて、生徒たちの集中力を高め、授業をスムーズに進めるスキルが身につくでしょう。
生徒一人一人と関係性を築くのが難しい
一人の生徒がなかなか心を開いてくれない様子で困っています。4月から塾講師バイトを始めて、今4人の生徒を受け持っています。3人の生徒とは仲良くなり、授業も順調で本人たちも授業を楽しんでくれているようです。しかし一人の男子生徒はいつも私が話しかけてもうなずいたり、首を振ったりするだけです。「この問題を解いて」といえば解いてくれますし、ある意味授業はスムーズに進むのですが、何も質問してこず、ただ淡々と問題を解かせるような授業になってしまい、私は彼にとっての講師という立場に疑問を持ってしまいます。中学1年生という難しい年頃の男の子なので、恥ずかしがっているだけなのでしょうか?それとも彼と仲良くなるのは今後一切不可能なのでしょうか?
投稿者:Chem(塾講師ステーションの過去のアンケートより)
授業に集中してもらうためには、生徒との信頼関係の構築が欠かせません。しかし、個別指導とは異なり、集団指導では生徒一人ひとりにじっくり時間を割くことが難しいのが現状です。そのため、生徒と深く打ち解けにくい点は否めません。
それでも、いかに生徒に親近感を持ってもらうかが重要なポイントになります。生徒が講師に親近感を抱けば、授業を素直に聞いてくれやすくなり、結果として授業の質を高めることにつながるでしょう。限られた時間の中で、生徒との距離を縮める工夫が求められます。
授業後になかなか帰れない日がある
私は某大手塾でバイトをしていますが、授業後の掃除や保護者への電話入れ、授業報告に追われ、数時間拘束されます。知人が働いている某大手塾(私が働いている塾とは違う)は全く授業外労働がないそうです。これはどのように見極めれば良かったのでしょうか。採用試験の際面接または電話で質問するのは失礼にあたりますか。
投稿者:まりこ(塾講師ステーションの過去のアンケートより)
塾講師の仕事は授業時間内だけとは限りません。塾によっては授業報告書の作成など授業外業務が発生することもあります。特に集団指導では、授業後に質問に来る生徒も多く、仕事が終わる時間が遅くなりがちです。
残念ながら、そうした残業に対して給料が加算されない塾も少なくありません。もしこの点が気になるなら、アルバイトを始める前に塾に確認しておくことをおすすめします。
塾講師バイトがきついときの乗り越え方
- 先輩講師や塾長に相談する
- 生徒の目線に立って考える
- 働くやりがいに目を向ける
- 生徒の話を「聞く」ことに集中する
- 同僚に話を聞いてもらう
- 働く時間を調整する
- 変えられないことに対しては自ら工夫する
- あまりにブラックだと感じるなら他の塾へ
塾講師バイトはもちろんやりがいがありますが、それでもきついと感じる時もあります。このような場面に遭遇した際の乗り越え方について、解説します。
先輩講師や塾長に相談する
塾講師の仕事で「きついな」と感じた時、何よりも大切なのは一人で抱え込まないことです。生徒の理解度が計画通りに進まない、生徒との関係性に悩むなど、もし壁にぶつかったら、まずは先輩講師や塾長に相談してみましょう。
彼らはあなたと同じ道を経験してきた人たちです。きっと、自分では思いつかなかったような指導のテクニックや、具体的な解決方法を教えてくれるはずですよ。積極的に周りを頼ることで、気持ちも楽になり、より良い指導ができるようになります。
生徒の目線に立って考える
理想の講師像を追い求めることはもちろん大切ですが、それと同時に生徒側の目線を決して忘れないことが重要です。まずは、あなたの目の前にいる生徒一人ひとりを大切にし、彼らの視点に立って考えることで、「どうすればもっと分かりやすく伝えられるだろう?」という最適な方法が見えてくるはずです。生徒に寄り添う姿勢が、分かりやすい指導への第一歩になります。
働くやりがいに目を向ける
もし塾講師の仕事で「どうしても辛いな」と感じた時は、ぜひ「やりがい」に目を向けてみましょう。どんなに些細なことでも構いません。
例えば、授業を通して自分自身のスキルがアップした実感、生徒が問題を理解してくれた瞬間の喜び、あるいは生徒や保護者からかけてもらえる「ありがとう」の感謝の言葉など、きっと心温まる瞬間があったはずです。塾講師のやりがいについては、別の記事で詳しくご紹介していますので、ぜひ参照してみてください。
生徒の話を「聞く」ことに集中する
生徒とのコミュニケーションがうまくいかないと感じたら、まずは「聞く」ことに意識を集中しましょう。生徒の話に耳を傾ければ、彼らの問題点を深く理解でき、授業プランにも役立ちます。シャイな生徒には根気強く接し、丁寧に聞いてあげることで信頼関係が築けますよ。
同僚に話を聞いてもらう
「きついな」と感じたら、同僚に相談するのも非常に効果的です。同じ仕事をしているからこそ、悩みを理解してもらいやすく、ストレス発散にもなります。情報交換を通じて、新たな解決策が見つかることもありますよ。
働く時間を調整する
予習や授業報告など、時間外業務は工夫次第で短縮可能です。効率的な準備方法を取り入れたり、テンプレートを活用したりしてみましょう。また、オンオフの切り替えが難しい場合は、自分が集中できる時間を把握し、無理のない範囲で働くのがコツです。
変えられないことに対しては自ら工夫する
服装規定や休憩スペース、掛け持ちの可否など、環境を変えられない場合は自分から工夫してみましょう。私服で働きたいなら私服OKの塾を探す、スーツの保管場所を確認するなど、事前に調べておくのがおすすめです。
あまりにブラックだと感じるなら他の塾へ
もし塾が人手不足で業務量が多すぎると感じたら、まずは塾長に相談しましょう。改善が見込めず、心身に負担がかかるようなら、他の塾へ移ることも検討してください。あなたに合った働きやすい環境を見つけることが、長く続ける秘訣です。
働きやすい塾講師バイトの探し方
シフト体制がライフスタイルに合う塾を選ぶ通いやすい立地の塾を選ぶ初心者は個別指導からはじめる私服OKまたは置きスーツOKの塾を選ぶ面接時に対応のよい塾を選ぶ
まずは、ご自身のライフスタイルに合うシフト体制の塾を選びましょう。特に塾講師が初めての場合、一度に少人数を教える個別指導から始めるのがおすすめです。生徒一人ひとりとじっくり向き合えるため、指導経験が少ない方でも安心してスタートできます。
また、塾の働きやすさは、塾長のタイプによるところも大きいです。少しでも気になること(担当する生徒の数や科目、給料の計算方法など)があれば、面接の際に遠慮なく聞いておくのが良いでしょう。
採用されて働き始めてからも、その塾が働きやすいかどうかは判断できますが、試用期間中だけで決めつけるのは時期尚早な場合もあります。研修期間が終わってから、働きやすくなったと感じるケースも少なくありません。焦らず、じっくり見極めてみてください。
きついと言われる塾講師バイトも工夫次第で働きやすくなる
塾講師バイトは、様々な理由で「きつい」と言われることがあります。しかし、工夫次第で働きやすさは格段に向上します。もしきついと感じたら、一人で悩まずに先輩講師や塾長に相談したり、生徒の目線に立ち返って指導法を工夫したりと、できることから試してみるのがおすすめです。
それでも状況が改善されない場合は、他の塾へ移ることも有効な選択肢です。新しい塾を探す際は、面接時に給与体系やシフト、職場の雰囲気など、不安に感じる点を積極的に確認し、あなたに合った働きやすい場所を見つけましょう。
繰り返しになりますが、少しでも「きついな」と感じたら、決して一人で抱え込まず、信頼できる周囲の人に相談してみてくださいね。
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