今回の記事では巷に流れている「3の倍数の判定方法」を小学生にどのように教えてあげるべきか?を紹介します。仕組みの解説も無く暗記を強いられる場合が多いですが、きちんとその点も含めて教えてあげた方が小学生の生徒も覚えやすくなります。
3の倍数の判定方法
それでは整数:1234567890について考えてみましょう。こんな長い整数を3で割って余りが出ないかどうかを探すのは面倒ですね。そこでこの整数を
1000000000 + 200000000 + 30000000 + 4000000 + ・・・+90 ・・・①
と分けて考えてみましょう。つまり、各位の数で分けたということです。ここで一つ、10の累乗を3でわると1になる、ということを確認しておきます。10=3×3 +1 , 100 = 33×3 +1 ,1000=333×3 +1 となることから分かりますね。さて、1000000000というのは10の累乗なので余りは1です。200000000は2×100000000と考えると、10の累乗の余りの1に2をかければ2となるので余りは1です。同じようにしていくと式①の各項をそれぞれ3で割っていくと余りは順番に
1,2,0,1,2,0,1,2,0
となります。これらを足してみると、9なのでこの整数は3で割り切れることが分かりました。少し長くなりましたが、要するに
各位の数で分けて考えることでこの判定法が生まれている!!!
ということです。
ほかの倍数についての判定法はないの?
このような疑問を持った人もいると思います。実はほかの倍数についても存在します。例えば9の倍数の判定法は3の倍数の判定法とほとんど同じで、「各位の総和が9の倍数かどうか確認する」という方法です。他にも、7の倍数、11の倍数の判定法があります。
・7の倍数の判定方法
- 数字を、一の位から 3桁ごとに分けていく。
- 3桁の塊を一つ飛ばしに グループ化する。
- グループ毎に和を求めて、その差を計算。
- この差が7の倍数であればその数は7の倍数である。
複雑ですが、実際に計算してみましょう
例:123461789234 のとき、
①123,461,789,234 に分ける
②123と789 , 461と234 に分ける
③123+789=912,461+234=695 912-695 = 207
207 = 7 ×29 +4 なので、123617789234 は7の倍数ではないことが分かりました。
11の倍数の判定方法
各位を一つ飛ばしに足した”和”の”差”が11の倍数もしくは0であれば、その数は11の倍数である。
例:123612,194832のとき
1+3+1-(2+6+2) = -6 なので123612は11の倍数ではない。
1+4+3-(9+8+2) = -11 なので194832は11の倍数である。
3の倍数、9の倍数に比べて少し複雑ですが、なぜ成り立つのかというのは基本的には各位の数で分ける考え方で同じように説明できます。
よく使うのは3の倍数の判定法なので、なぜ成り立つのか生徒さんに自信を持って説明できるようにしておきましょう!!