教員の給料は上がる?号給の上限と昇任の関係を公的統計で解説
毎年少しずつ上がってはいても、この先どこまで伸びるのかは見えにくいものです。
結論から言うと、教員の給料は年齢とともに上がります。ただし、同じ級にとどまる限り号給には上限があります。上限を超えるには、昇任で級そのものを上げる必要があります。
この記事では、総務省などの公的統計をもとに、給料が上がる仕組みと、自分の給料表で到達点を確かめる方法を解説します。
目次
■教員の給料は年齢とともに上がる
■給料の上がり方を決める4つの要素
・号給は同じ級の中で頭打ちになる
・昇任すれば級が上がる
・人事評価が昇給と賞与に反映される
・給料表そのものが改定される
■自分の給料表で到達点を確かめる方法
■まとめ:給料は上がるが、上限は給料表で確かめる
■相談窓口
教員の給料は年齢とともに上がる
総務省の調査では、平均年齢が高い集団ほど平均給料月額も高くなっています。
小・中学校教育職(平均41.5歳)の平均給料月額は353,632円です。高等学校教育職(平均44.7歳)は370,300円です。平均年齢が3.2歳上の集団で、16,668円高い計算です。

・総務省「令和6年地方公務員給与実態調査結果等の概要」第9表(令和6年4月1日現在)より
ただし、これは年齢層ごとの平均を比べた数字です。個人の昇給ペースは、自治体や級によって違います。自分の場合の確かめ方は、後半の「自分の給料表で到達点を確かめる方法」で紹介します。
校種ごとの年収は「小学校教員の年収」「中学教師の年収」「高校教師の年収」で解説しています。
給料の上がり方を決める4つの要素
教員の給料を動かす要素は、号給・昇任・人事評価・給料表の改定の4つです。
- 号給:定期昇給で上がるが、同じ級の中でいずれ頭打ちになる
- 昇任:級が上がり、給料の上限そのものが上がる
- 人事評価:結果が昇給と賞与に反映される
- 給料表の改定:人事委員会の勧告を受けて、表そのものが書き換わる
号給は同じ級の中で頭打ちになる
教員の給料は「級」と「号給」の組み合わせで決まります。定期昇給で号給は上がりますが、上がり幅は毎年一定ではありません。同じ級にとどまる限り、号給の上昇はいずれ頭打ちになります。
号給がいくつまであり、最高号給でいくらになるかは、自治体ごとの給料表に書かれています。たとえば東京都の教育職給料表では、教諭が該当する2級は1号給の241,600円から始まり、最高号給で331,500円です。上限そのものが上がるのは、主任教諭が該当する3級に移ってからです。
給料表の作りは自治体ごとに違うため、他の自治体の数字はそのまま当てはまりません。号給の伸びが鈍ってきたら、まず見るべきは自分の努力ではなく、在籍している級です。
昇任すれば級が上がる
号給の上限を超えて給料を上げるには、級を上げる必要があります。その方法が昇任で、主幹教諭・教頭・校長などの職に就くことを指します。号給が進むのを待つだけでは、級は変わりません。
ただし、教頭・校長になる人は限られます。文部科学省の調査では、令和5年度の校長は小学校5,719人・中学校3,298人です。教頭は小学校6,572人・中学校3,349人です。平均年齢はいずれも49〜54歳台で、若いうちの昇任はまれです。
同じ令和5年度の小・中学校教育職は604,948人で、校長・教頭を合わせてもその3%程度です。昇任は時間のかかる道で、誰にでも早く回ってくるものではありません。
級ごとの人数でも同じ傾向が出ています。東京都の教育職員67,359人のうち、教諭が該当する2級は48.0%、主任教諭が該当する3級は35.4%です。主幹教諭以上(4級〜6級)は合わせて16.1%で、副校長・校長(5級・6級)に限ると7.1%です。

・出典:東京都人事委員会「令和5年 等級及び職制上の段階ごとの職員数」より
人事評価が昇給と賞与に反映される
人事評価の結果は、昇給と賞与の両方に反映されます。地方公務員法では、人事評価を昇給(基本給)と勤勉手当(賞与)に活用することとされています。業績評価の項目には学習指導・生徒指導が含まれるため、授業の成果も給料に表れる仕組みです。
ただし、評価結果の反映のしかたは自治体ごとに差があります。文部科学省は令和7年9月、評価結果の活用を徹底するよう改めて資料を出しています。
給料表そのものが改定される
号給が変わらない年でも、給料表そのものが書き換わって給料が上がることがあります。きっかけは人事院の勧告です。
人事院は令和6年、民間との給与差が2.76%(11,183円)でした。これを踏まえ、行政職の俸給表を平均3.0%引き上げるよう勧告しました。上げ幅は級によって異なり、行政職の俸給表では1級が11.1%、2級が7.6%です。教員の級にこの数字がそのまま当てはまるわけではありません。
地方公務員の給料表は、都道府県などの人事委員会の勧告を経て見直されます。人事委員会は人事院勧告を参考にしつつ、地域の給与水準や財政状況を踏まえて勧告を出します。そのため同じ年でも、勤務する自治体によって改定率は変わります。
たとえば三重県人事委員会は令和6年度、職員の給料月額を平均2.27%引き上げるよう勧告しました。ただし、これは一般行政職の給料表についての数字です。
教員の教職調整額の引き上げは別枠の議論で、国の法改正の動向を見ながら検討するとされています。教職調整額の仕組みは「教員の給料の仕組み」で解説しています。
改定が決まると、通常は翌年度(または定められた日)から新しい給料表が適用されます。号給が変わらない年も、地元の人事委員会勧告と毎年の通知を見ておくと、改定による昇給を見落としません。
自分の給料表で到達点を確かめる方法
自分の給料がどこまで伸びるかは、自治体の給料表で確かめられます。平均値は年齢層ごとの目安で、あなた個人の到達点とは別物です。見るのは次の2点です。
- 今の号給の金額と、1年後に進む号給の金額の差(定期昇給1年分の目安になります)
- 在籍する級の最高号給はいくらか(昇任しない場合の到達点になります)
給料表は、都道府県の人事委員会のWebサイトで公開されています。東京都なら「東京都人事委員会」で検索し、「教育職給料表」を探すと、現在の給料表が見つかります。自治体によっては「給与関係」のページにまとめて載っています。
1年に何号給進むかは、人事評価の結果に応じて自治体の規則で決まります。給料表とあわせて、自分の自治体の昇給の規則も確認してください。
給料表は改定されることがあり、そのたびに金額や号給の数が変わる場合もあります。数年先まで見通したいときは、過去3〜5年分の改定率も調べておくと精度が上がります。
賞与や手当を含めた年収の全体像は「教員の年収はいくら?校種別の平均と民間との差」にまとめています。
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まとめ:給料は上がるが、上限は給料表で確かめる
教員の給料は年齢とともに上がります。ただし同じ級にとどまる限り号給には上限があり、超えるには昇任が必要です。人事評価や給料表の改定でも給料は動きますが、その幅は自治体ごとに違います。
給料表で到達点を確かめて、想像より低いと感じたら、働く場所を変えるのも一つの選択肢です。塾業界の給与水準は「塾講師の年収解説」、教員以外への転職全般は「教員から他業種へ転職する場合」で確認できます。給料以外の理由でも迷っているなら「教員をやめたいと思ったら」も参考にしてください。
相談窓口
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お話をうかがったうえで、今の職場で昇任を目指すほうがよいという結論になることもあります。まずは、自分の市場価値を知るところから始めてみてください。
参考文献
・東京都人事委員会「令和6年改定 教育職給料表」より
・文部科学省「校長・副校長・教頭の年齢別登用状況の推移」(令和5年4月1日現在)より
・総務省「令和6年地方公務員給与実態調査結果等の概要」第11表より
・東京都人事委員会「令和5年 等級及び職制上の段階ごとの職員数」(令和5年4月1日現在)より
・文部科学省「公立学校の教師の人事評価について」(地方公務員法第23条第2項・令和7年9月)より
・e-Gov法令検索「地方公務員法第23条(令和7年9月時点)」より
・人事院「令和6年 人事院勧告・報告の概要」より
・三重県人事委員会「令和6年「職員の給与等に関する報告及び勧告」の概要」より
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