高校教師の年収はいくら?小中学校より高い理由と手当の実態を公的統計で解説
高校教師(高等学校教育職)の平均給与月額は433,141円です。12か月分に換算すると、年収は約520万円になります。
小・中学校より月2万円ほど高い金額です。ただ、この差の大部分は校種の違いではなく、平均年齢の違いから生まれています。
この記事では総務省と文部科学省の統計から、給与の内訳、小・中学校との差の理由、高校特有の手当を順に整理します。
この記事のまとめ
- 高校教師の平均給与月額は433,141円、年収換算で約520万円(賞与は含まない)
- 小・中学校との差21,176円の大部分は、平均年齢が3.2歳高いことによる
- 高校特有の特殊勤務手当は月4,586円で、一般行政職の11.4倍
- ただし休日の部活動・引率の負担に見合う金額ではない
目次
■高校教師の年収は約520万円(月額433,141円×12か月)
■小・中学校より2万円高いのは、平均年齢が3.2歳上だから
■高校特有の手当は月4,586円。部活動の負担には見合わない
■高校教師が年収を上げるには、昇任か環境を変えるか
■よくある質問
■まとめ:高校教師の年収は「年齢」「手当」「上がり方」で見る
■相談窓口
高校教師の年収は約520万円(月額433,141円×12か月)
高校教師(高等学校教育職)の平均給与月額は433,141円です(総務省・令和6年4月1日現在)。12か月分に換算すると、年収は約520万円になります。
この金額に賞与(期末手当・勤勉手当)は含まれていません。実際の年収は、ここに年2回の賞与を足した額です。
給料月額と諸手当の内訳
433,141円の内訳は、給料月額370,300円と諸手当62,841円です。
諸手当には、地域手当・扶養手当・住居手当・特殊勤務手当などが入っています。大部分はどの校種にもある地域手当や住居手当で、高校特有の特殊勤務手当はごく一部です。
手当ごとの金額は自治体によって違うため、この記事では全国平均の内訳だけを扱います。なお「高等学校教育職」には特別支援学校や専修学校・各種学校の教員も含まれており、高校だけの平均ではありません。

・出典:総務省「令和6年地方公務員給与実態調査結果等の概要」第9表より
小・中学校より2万円高いのは、平均年齢が3.2歳上だから
高校教師の平均給与月額は、小・中学校教育職の411,965円より21,176円高くなっています。この差の大部分は、校種の違いではなく平均年齢の差で説明できます。
平均年齢は高校44.7歳、小・中学校41.5歳
総務省の同じ調査では、平均年齢は高等学校教育職が44.7歳、小・中学校教育職が41.5歳です。
教員の給料表は経験年数に応じて上がるため、年齢の高い集団ほど平均給与も高く出ます。平均値で高校が上回っていても、同じ年齢どうしで比べて高校が高いという意味ではありません。
自分の年収を他の先生と比べるときは、年齢をそろえて見るのが確実です。求人票の年収例も、何歳を想定した金額なのかを確かめると実態とずれません。
中学校の詳しい数字は中学教師の年収、小学校は小学校教員の年収で扱っています。
高校は30歳未満の教員が少ない
高校の平均年齢が高いのは、若手教員の割合がもともと低いためです。
文部科学省の学校教員統計調査(令和4年度)では、30歳未満の教員の割合は公立高校で11.0%でした。公立中学校の17.2%、公立小学校の20.2%を大きく下回ります。
同じ調査の平均年齢も、公立高校46.2歳、公立中学校43.0歳、公立小学校42.1歳と高校がもっとも高くなっています。調査の対象と時点が違うため総務省の44.7歳とは一致しませんが、高校が高いという傾向は同じです。
平均給与の差は、この年齢構成の違いをそのまま映しています。自分と違う年代の平均と比べても、参考にはなりません。
高校特有の手当は月4,586円。部活動の負担には見合わない
高校教師の特殊勤務手当は月4,586円で、一般行政職(402円)の11.4倍です(令和6年4月分)。
部活動の指導や大会引率に対する手当
特殊勤務手当は、部活動の指導や大会の引率など、授業以外の特定の業務に対して支給されます。部活動の指導であれば、従事した日ごとに日額で支払われる仕組みです。
働いた時間に応じて増える残業代とは、性質が違います。公立の教員に残業代が出ない仕組みは、教員の給料の仕組みで解説しています。
金額の推移は、平成26年が4,830円、令和5年が5,017円、令和6年が4,586円です。令和6年は前年より431円下がっており、手当の額そのものは増えていません。

・出典:総務省「令和6年地方公務員給与実態調査結果等の概要」第11表より
休日の在校時間に対して小さい金額
週末の部活動指導や大会引率にかかる時間を考えると、月4,586円は労力に見合う金額とは言えません。
文部科学省の教員勤務実態調査(令和4年度)によると、高校教諭の在校等時間は平日1日あたり10時間6分です。土日も1日あたり2時間14分あります。
土日に部活動が入る週は、平日の長い勤務に休日の勤務が重なります。月々の手当で、この拘束時間を埋め合わせるのは難しいのが実態です。
教員の勤務時間や休職の状況は、教員はブラックなのかで数字をもとに整理しています。
高校教師が年収を上げるには、昇任か環境を変えるか
年収を上げる道は、公立で昇任を目指すか、給与体系の違う職場へ移るかの2つです。
公立に残るなら昇任が分かれ道
公立に残る場合、給与は号給が上がるにつれて伸びます。ただし号給の上昇はいずれ頭打ちになり、その先は主幹教諭・教頭・校長への昇任が必要です。
高校の場合、主幹教諭や指導教諭の配置は自治体や学校規模によって差があります。管理職を目指すかどうかが、号給が頭打ちになったあとの分かれ道です。
いまの号給を確かめるなら、給与明細の号給欄が確実です。上がり方の仕組みは教員の給料は上がる?号給の上限と昇任の関係で詳しく扱っています。
給与体系ごと変えるなら私立や塾業界
給与体系そのものを変えたい場合は、私立学校や塾業界という道もあります。
私立は学校法人ごとに給与規程が異なり、公立とは別の基準で待遇が決まる仕組みです。塾業界では、時間外労働に残業代が支払われる求人が一般的です。
ただし塾も夜や土日の勤務があり、時間の面で楽な業界ではありません。どちらが合うかは、実際の求人を見比べてから決められます。
塾業界の年収水準は塾講師の年収解説、塾以外の業種も含めた選択肢は教員から他業種へ転職する場合にまとめています。
職場を離れるかどうかで迷っている段階なら、まず教員をやめたいと思ったらで原因を切り分けるのがおすすめです。
よくある質問
Q. 高校教師の年収は、賞与込みでいくらですか?
賞与(期末手当・勤勉手当)の支給月数は自治体の条例で決まるため、全国一律の金額は出せません。月額の12倍(約520万円)に、自治体の支給月数分の賞与を足した額が目安です。
自分の実額を知りたいときは、源泉徴収票の支払金額を見るのが確実です。
Q. 高校の先生は、小・中学校の先生より給料が高いのですか?
平均値では月21,176円高く出ています。ただし理由の大部分は平均年齢が3.2歳上であることで、同じ年齢どうしで比べて高校が高いという意味ではありません。
Q. 部活動の手当はいくらもらえますか?
高校教師の特殊勤務手当は、平均で月4,586円です(令和6年4月分)。部活動指導の日額や支給条件は自治体によって違うため、勤務先の規程で確認してください。
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まとめ:高校教師の年収は「年齢」「手当」「上がり方」で見る
- 高校教師の平均給与月額は433,141円、年収換算で約520万円(賞与は含まない)
- 小・中学校との差21,176円の大部分は、平均年齢が3.2歳高いことによる
- 特殊勤務手当は月4,586円で、休日の部活動・引率の負担に見合う金額ではない
- 年収を上げる道は、公立での昇任か、私立・塾業界への転職
教員全体の年収や民間との比較は、教員の年収はいくら?校種別の平均と民間との差で解説しています。
相談窓口
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お話をうかがったうえで「今の職場に残るほうがよさそうですね」という結論になることもあります。まずは自分の市場価値を知るための情報収集から始めてみましょう。
参考文献
・総務省「令和6年地方公務員給与実態調査結果等の概要」第9表・第11表より
・文部科学省「令和4年度学校教員統計(学校教員統計調査の結果)確定値」より
・文部科学省「教員勤務実態調査(令和4年度)集計【確定値】」より
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