中学教師の年収はいくら?部活の負担と勤務時間まで公的統計で解説
部活の朝練から夜の下校指導まで、中学校の先生は一日が長くなりがちです。
結論から言うと、中学校の先生の年収は約494万円が目安です。「小・中学校教育職」の平均給与月額411,965円を12か月分に換算した金額で、賞与は含みません。
この記事では、総務省と文部科学省の調査をもとに、年収の内訳と勤務時間の実態を整理します。「年収1000万円は可能か」もあわせて検証します。
- 平均給与月額は411,965円(小・中学校教育職、総務省・令和6年)
- 平日の在校等時間は11時間1分で、全校種の中で最長
- 週60時間以上学校にいる中学校教諭は36.5%(6年前は57.7%)
- 年収1000万円に届くかは、昇任と自治体の給料表で決まる
目次
■中学教師の年収は約494万円
・給料と手当の内訳
・中学校だけの平均給与が無い理由
■中学校は勤務時間が全校種で最長
・平日と土日の在校等時間
・部活動の負担
・週60時間以上学校にいる教諭の割合
・部活動の手当はいくらか
■年収1000万円は可能か
・号給と昇任の仕組み
・昇任できる人数と年齢
■まとめ:中学教師の年収は3つの軸で見る
中学教師の年収は約494万円。平均給与月額411,965円からの換算です
中学校の先生を含む「小・中学校教育職」の平均給与月額は411,965円です(総務省・令和6年4月1日現在)。12か月分に換算すると、年収は約494万円になります。
給料と手当の内訳
411,965円の内訳は、給料353,632円と諸手当58,333円です。

・出典:総務省「令和6年地方公務員給与実態調査結果等の概要」第9表より
約494万円には、賞与(期末手当・勤勉手当)が入っていません。賞与の支給月数は自治体の条例で決まるため、実際の年収はこの金額より高くなります。自分の正確な年収は、源泉徴収票で確認できます。
給料と手当がどう決まるかは、教員の給料の仕組みを解説した記事で詳しく説明しています。
中学校だけの平均給与が無い理由
総務省の統計では、中学校の先生は小学校と合わせて「小・中学校教育職」として集計されています。そのため、中学校だけの平均給与は公表されていません。
小学校の先生の年収と、校種別に見たときの数字の限界は、小学校教員の年収を解説した記事にまとめています。
中学校は勤務時間が全校種で最長
中学校教諭の平日1日当たりの在校等時間は11時間1分です。小学校・高校を含めた全校種の中で、最も長い時間です。
平日と土日の在校等時間
土日も1日当たり2時間18分を学校で過ごしています。小学校の0時間36分と比べると3.8倍です。

・出典:文部科学省「教員勤務実態調査(令和4年度)集計【確定値】」より
夏休みなどの長期休業中も、仕事がなくなるわけではありません。8月の平日20日のうち、所定の勤務時間どおりに勤務した日数は、中学校で8.4日でした(小学校は5.6日)。
8月の勤務日1日当たりの在校等時間は8時間26分です。10・11月の11時間1分と比べると、2時間半ほど短くなります。
部活動の負担
平日の業務で最も長いのは「授業(主担当)」の3時間16分で、次が「授業準備」の1時間23分です。部活動・クラブ活動は37分にとどまります。
土日はこれが逆転し、2時間18分のうち1時間29分を部活動・クラブ活動が占めます。平日は授業、土日は部活動が負担の中心です。
部活動の担当日数が多い先生ほど、土日の在校等時間は長くなります。週の活動日数が0日の教諭は44分ですが、毎日(週7日)の教諭は4時間34分です。
活動日数が週6日以上の教諭は6.9%います。部活動ガイドラインが定める基準を超える水準です。
部活動指導員がいると、先生が学校にいる時間は短くなります。土日に指導員が単独で指導する場合、教諭の土日の在校等時間は2時間14分です。指導員がいない場合の2時間46分より32分短くなります。
負担の差は、部活動だけにあるわけではありません。文部科学省は、在校等時間が週50時間未満・50〜60時間未満・60時間以上の3グループで業務内容を比べています。中学校で差が大きかったのは「部活動・クラブ活動」「授業準備」「学年・学級経営」の3つでした。
同じ分析では、在校等時間の長さに関係する要因も示されています。年齢が若いこと、担任する学級の生徒数が多いこと、部活動の活動日数が多いことの3つです(文部科学省「教員勤務実態調査(令和4年度)の分析結果」より)。
週60時間以上学校にいる教諭の割合
週の在校等時間が60時間を超える中学校教諭は36.5%です。週の正規の勤務時間は38時間45分なので、この層は正規の時間より週20時間以上長く学校にいます。
6年前の調査では57.7%だったので、割合は大きく下がっています。
教員業務支援員を配置した学校では、事務作業の時間も短い傾向があります。学校全体で1日当たり「事務その他」等に使う時間は、未配置校より中学校で約7.5時間短くなっています(小学校は約6時間)。
健康や制度の数字も含めた働き方の実態は、教員はブラックなのかを3つの数字で判定した記事で解説しています。
部活動の手当はいくらか
部活動の指導には特殊勤務手当が支給されます。ただし、部活動分だけを取り出した全国一律の金額は公表されていません。
総務省が公表しているのは、特殊勤務手当全体の額です。小学校と合わせた「小・中学校教育職」で、職員1人当たり月額2,665円です(令和6年4月分、全職種計)。
手当の額は自治体の条例で決まります。例えば熊本県の県立学校職員の給与条例では、休日等以外の日に3時間30分以上の部活動指導をすると1日3,300円です。2時間以上3時間30分未満は1日1,650円になります。
この金額は授業がある平日の指導が対象で、土日・祝日の対外試合の引率は別の区分です。金額や支給の条件は都道府県で異なるため、正確な額は勤務先の給与規程で確認できます。
高校の先生は特殊勤務手当が単独で集計されており、令和6年は職員1人当たり月額4,586円です。校種ごとの手当の違いは、高校教師の年収を解説した記事で詳しく説明しています。
年収1000万円は可能か。決め手は昇任と自治体の給料表
年収1000万円に届くかどうかは、昇任できるかと、自治体の給料表で決まります。
号給と昇任の仕組み
教員の給料は「級」と「号給」で決まります。号給は、経験年数と人事評価に応じて上がります(地方公務員法第23条第2項)。
同じ級の中では、号給に上限があります。それより上に進むには、主幹教諭・教頭・校長などに昇任して級を上げる必要があります。
まずは自分の自治体の給料表で、今の級と号給の位置を確認してください。今の級で最も高い号給が、昇任せずに届く上限の目安です。号給の上がり方は、教員の給料は上がるのかを解説した記事で説明しています。
昇任できる人数と年齢
昇任の枠は限られています。令和5年4月1日現在、中学校で教頭に登用されたのは3,349人、校長は3,298人でした。小・中学校教育職の職員は、全体で604,948人います。
登用時の平均年齢は、教頭が49〜50歳台、校長が54歳台です。昇任で給料を大きく上げるには、長い年数がかかります。
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まとめ:中学教師の年収は3つの軸で見る
中学教師の年収は、次の3つの軸に分けて見てください。
- 金額:月額411,965円、年収換算で約494万円(賞与を除く)
- 時間:平日の在校等時間は11時間1分で、全校種で最長
- 上がり方:号給の上限と、昇任できるかで決まる
不満の中心が「時間」なら、金額だけ上がっても負担は残ります。その場合は、勤務時間の仕組みそのものが違う職場を比べてみる価値があります。
教員全体の年収や民間との比較は、教員の年収を校種別に解説した記事にまとめています。教員を続けるか迷っているなら、教員をやめたいと思ったときの見分け方も参考になります。
塾業界の待遇や仕事内容は塾講師に就職するなら知っておきたい年収や仕事内容、年収の内訳は塾講師の年収解説で紹介しています。
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参考文献
・総務省「令和6年地方公務員給与実態調査結果等の概要」第9表・第11表より
・文部科学省「教員勤務実態調査(令和4年度)集計【確定値】」(同調査の時系列比較を含む)より
・文部科学省「教員勤務実態調査(令和4年度)の分析結果」より
・熊本県「県立学校職員の給与に関する条例(教員特殊業務手当・最終改正 令和元年12月20日)」より
・文部科学省「校長・副校長・教頭の年齢別登用状況の推移」より
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